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佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

【消費税インボイス制度】適格請求書発行事業者の登録日が令和5年10月1日で、締め日の関係等でその日をまたぐ請求書の記載にあたっては注意が必要です

【消費税インボイス制度】適格請求書発行事業者の登録日が令和5年10月1日で、締め日の関係等でその日をまたぐ請求書の記載にあたっては注意が必要です

令和5年10月1日から消費税インボイス制度が実施されることに伴い、同日の令和5年10月1日から適格請求書発行事業者としての登録通知を受けている場合に、

請求者側として発行する売上にかかる請求書について気になる点が出てきます。

それが、請求書の締め日の対象期間の間に令和5年10月1日をまたぐ場合です。

毎月20日締めの売上に係る請求書を発行する場合

適格請求書発行事業者が、令和5年9月21日から10月20日の1ヶ月分の請求書を発行する場合にはどのようになるでしょうか。

令和5年の

9月21日から9月30日:インボイス制度実施前

10月1日から10月20日:インボイス制度実施後

こちらのブログでもご紹介していますが、適格請求書発行事業者がインボイスの交付をする場合には、所定の事項を適格請求書に反映させなければなりません。

しかしこの9月21日から10月20日までの期間で請求書・インボイスを発行する場合、どのようにしたらよいのかということが気になります。

本来的には次のとおりとなります。

適格請求書発行事業者の登録日以後の課税資産の譲渡等について適格請求書を交付する

所定の事項を次の二つに区分する。

登録日前の課税資産の譲渡等

登録日以後の課税資産の譲渡等

また、一方で、買い手側の処理を考えてみるとどうでしょうか。

買い手側の仕入税額控除から考える

適格請求書発行事業者の登録日が令和5年10月1日であるならば、買い手側では

登録日前

登録日後

のいずれの期間分についても、課税仕入れについては仕入税額控除の対象となります。

結論

登録日である令和5年10月1日をまたぐ期間の請求書を適格請求書とする場合には、次のいずれの期間分の課税資産の譲渡等についても区分する必要がなく、

請求書に記載して交付することができます。

令和5年の

9月21日から9月30日:インボイス制度実施前

10月1日から10月20日:インボイス制度実施後

その他

次の点に留意する必要があります。

1.会社の消費税の処理によっては、場合により、売上税額の「積上げ計算」を行う場合は令和5年9月30日以前と令和5年10月1日以後を区分して

記載する等の対応が必要です。

2. 毎月等の継続的に役務の提供が行われ、登録日前後の課税資産の譲渡等を区分して請求書等に記載する場合で登録日以後の課税資産の譲渡等が明確に区分できない場合は、

取引事実等に基づいて合理的に区分する事が必要です。

3.取引状況等に応じて上述以外に、確認・判断しなければならない内容が出てくる場合があるので、詳細は所轄税務署や税理士等の専門家に確認をしましょう。

※出典参考資料:国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 」

問 63 当社は、令和5年 10 月1日に適格請求書発行事業者の登録を受ける予定です。

当社は、売上げの請求書について、毎月 15 日締めとしています。

適格請求書等保存方式が開始する令和5年 10 月1日をまたぐ令和5年9月 16 日から 10 月 15 日までの期間に係る請求書の記載についてどのような対応が必要ですか。

【令和4年4月追加】

 

 

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