消費税の申告の際には、 納税ではなく 還付になる、 つまり税金が戻ってくる場合があります。
消費税は 間接税と呼ばれ、納税者自身が負担する消費税を預かった事業者が納税しているというイメージです。
例えば、コンビニエンスストアでお弁当を買う際に、消費税抜き価格が600円で消費税が60円上乗せされて、660円をお客さんが支払います。
この段階で消費税の60円はお客が負担しています。
この60円は国に対してお客さんが直接納税しているわけではなく実際にはコンビニエンスストアが預かっています。
そして、このコンビニエンスストアは、このお弁当の仕入代金として消費税抜き価格が400円で消費税40円が上乗せされた440円をフランチャイズ本部に
支払ったと仮定します。
この場合、この消費税40円はフランチャイズ本部が預かっている形になります。
そこで、コンビニエンスストアでは消費税をどのように納税するのかというと、
売上代金に含まれる消費税:60円
仕入代金に含まれる消費税:40円
この差額の20円(60円マイナス40円)を納税します。
つまり、預かった消費税から支払った消費税を差し引いて納税するという形です。
実際にはもう計算等は複雑になりますが、上述のような形で消費税に関するお金の流れがあります。
消費税が還付される場合
一方、消費税を納税する形ではなく還付される場合があります。
大規模な修繕や設備投資を行った場合、輸出取引を行っている場合などで一定条件に該当する場合には、消費税が還付されるケースがあり、例えば、次のようなことがあります。
ある事業年度で、
高額な設備投資として消費税抜き価格3,000万円で消費税300万円の計3,300万円の設備を購入したとします。
その他の仮定として、
売上:消費税抜き価格5,000万円消費税500万円
仕入・経費:消費税抜き価格4,000円消費税400万円
である場合には、消費税の申告額はどのようになるのかというと、
売上時に預かった金額に含まれる消費税:500万円
高額設備投資や仕入経費として支払った金額に含まれる消費税:700万円(設備投資分300万円+仕入・経費分400万円)
申告額:マイナス200万円(500万円マイナス700万円)
※実際の申告では、個別の事情に応じて計算方法が異なりますので、上述の説明はあくまでもイメージです。
そして、この200万円は還付つまり戻ってくる形となります。
消費税還付申告に関する国税当局の対応について
消費税の還付申告は申告内容の確認をし、所定の手続きをした上で還付されますが、先日国税庁ホームページで消費税還付申告に関する案内が出ました。
そして、一部抜粋となりますが、
消費税の還付申告の中には各取引に関する課税取引や非課税取引といった区分の誤りや固定資産等の取得時期の誤りなども見受けられます。
とあり、申告内容の確認時に上述のような誤りが出てしまケースがあります。
そのため、
国税当局としては、各種情報に照らして必要があると認められる場合は、還付金の支払いをいったん保留しつつ、還付申告の原因を確認するため、
行政指導として電話等による確認書類(例えば、還付申告の主な原因が輸出免税である場合には輸出許可通知書やインボイス等の写し、
設備投資である場合には契約書や請求書等の写しのほか、取引実態の確認できる資料)の提出をお願いすることや、実地調査を実施する場合もあります。
とあるように、還付申告の内容を確認するために必要な書類の提出や実地調査が必要となる場合があります。
そして、
国税当局としては、可能な限り速やかに上記の実態の確認等に努めるとともに、これらの結果、還付税額が過大と認められる事由がないことが判明した場合には、
遅滞なく還付を行うこととしていますので、納税者の皆様のご理解とご協力をお願いします。
とあるように、還付申告の手続きを進めるにあたっては申告内容に誤りがないのか書類等から判断した上で手続きが行われるので、
申告者側で出来る限り適切かつ速やかな対応が必要です。
そこで、納税となる場合についてももちろん同様ですが、還付申告をして、所轄税務署からの還付申告内容の確認の問い合わせ等があった場合には、
速やかに事実内容の確認できる書類等を提出あるいは説明できるように準備をしておきましょう。
まとめ
先日、国税庁ホームページで「消費税還付申告に関する国税当局の対応について」という案内が掲載されました。
消費税の還付申告にあたっては、所轄税務署から還付申告内容の確認の問い合わせ等がくる場合がありますので、納税となる場合も同様ですが、
速やかに事実内容の確認できる書類等を提出あるいは説明できるように準備をしておきましょう。