先日もご案内しましたが、令和3年度税制改正に伴う電子帳簿保存法の改正により、電子取引の電子データでの保存が令和4年1月1日から施行されることとなっていました。
しかし、諸事情によりこの施行が2年間延期されることとなりました。
そして、その延期に関する案内が、昨年12月28日現在で財務省ホームページに公開されています。
今回はその内容を要約した形で投稿いたします。
目次
電子帳簿保存法制度の概要
1.電子帳簿等保存
自己が電子的に作成した帳簿や書類について、一定の要件を充足すれば、電子データのまま保存できます。
例:一部決算書類・取引先へ書面で交付した請求書領収書の控えなど
2.スキャナ保存
取引先から書面で受領した請求書・領収書、取引先へ書面で交付した請求書・領収書の控えなどは、
一定要件を充足すればスマホやスキャナ等で読み取った電子データで保存できます。
※現行では、スキャナ保存をせず書面のまま保存することも可能です。
3.電子的に授受した取引情報を電子データで保存
取引先から電子データで受領した請求書領収書、取引先へ電子データで交付した請求書領収書の控えなどについては、
一定要件のもとで電子データのまま保存をする必要があります。
※電子データを印刷する行為自体を禁止するものではありません。
電子取引データの出力書面等による保存措置の廃止(令和3年度税制改正)に関する宥恕措置について
令和3年12月に取り上げられた話ですが、上記3の電子的に授受した取引情報を電子データで保存することに関して、今回、一部見直しがされることとなりました。
その理由は次のように記載されています
大企業であっても施行(令和4年1月1日)までの間に、対応完了(準備中)の事業者が多数いる。
中小企業においてはの認知が十分に進んでいない。
そこで令和4年度税制改正において次の取り扱いが概要として織り込まれることになりました
令和4年4月1日から令和5年12月31日までの間に行われた電子取引データは、保存要件にしたがって保存できなかったことについて
やむを得ない事情がある場合には、引き続きその出力書面による保存を可能とする(2年間の宥恕措置)。
この宥恕措置の適用にあたって、納税者から税務署長への手続きなどは要しない。
宥恕措置期間中の対応
こちらについても次のように案内されています。
電子取引の取引情報(請求書、領収書など)の電子データを、従前と同様に、書面に出力して保存しておく。
また税務調査があった場合には、
税務職員に対して「社内のワークフロー整備が間に合わなかった。」や「今後、保存に係るシステムを整備する意向は有している(現時点で未整備)。」など、
その事情を口頭で回答する。
となっています。
つまり、上記宥恕措置の適用を受ける場合には、電子取引の取引情報の電子データを、一定の方法により書面に出力して保存をし、
税務調査の際には宥恕を受ける理由を回答できるようにしておく必要があります。
なお詳細については、今後決まる形となりますので最新の情報を確認するようにしましょう
まとめ
電子取引の取引情報のデータ保存に関しては令和4年度税制改正で、2年間の宥恕措置が適用されることとなりました。
なお現時点では概要の公開となっており、詳細は今後決定しますので、最新情報を確認するようにしましょう。