消費税のいわゆるインボイス制度実施により、個人事業者で、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者としての登録を受けた時には、
消費税の申告方法が難しい部分がありますので、今回は、その申告方法についご案内します。
目次
個人事業者の課税期間は、原則として暦年1月1日から12月31日です。
消費税法に規定してある、申告の対象となる課税期間は、個人事業者の場合には、原則として暦年である1月1日から12月31日です。
なお、一定の要件を満たした場合には、この課税期間を短縮する事もできます。
令和5年分の消費税申告の課税期間の考え方
1、令和5年分について免税事業者である個人事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けた場合
(登録に際して令和5年分を適用開始課税期間とする課税選択届出書を提出した場合を除きます。)
令和5年10月1日から適格請求書発行事業者として登録を受けた場合には、令和5年分の課税期間については、次のようになります。
令和5年1月1日から令和5年9月30日:免税事業者
令和5年10月1日から令和5年12月31日:課税事業者
↓
令和5年10月1日から令和5年12月31日までの期間に行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについて、令和5年分の消費税の申告が必要です。
2、令和5年分について課税事業者である個人事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けた場合
(登録に際して令和5年分を適用開始課税期間とする課税選択届出書を提出した場合を含みます。)
適格請求書発行事業者の登録日は令和5年10月1日ですが、上記1と異なり、その課税期間(令和5年1月1日から令和5年12月31日まで)中に行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについて、令和5年分の消費税の申告が必要となります。
注意点
令和5年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けることとなった場合において、登録日の前日である令和5年9月30日に免税事業者であった期間中に
国内において譲り受けた課税仕入れに係る棚卸資産や保税地域からの引き取りに係る課税貨物で棚卸資産に該当するものを有しているときは、
その棚卸資産又は課税貨物に係る消費税額について、仕入税額控除の適用を受けることができます。
まとめ
個人事業者が、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受ける際には、従来から免税事業者又は課税事業者であった場合等で、
令和5年分の消費税の申告方法が異なる場合がありますので、ご自分の課税期間がいつになるのか等を事前に確認しましょう。