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金融機関の審査を通れば、複数の預金口座を開設できます
プライベートでも、ビジネスでも、金融機関に預金口座を開設する事が多いです。
日々の生活資金や事業資金を現金で持ち続けるのは、盗難といったリスクや日々の入出金の管理をするといった手間からは、適切ではありません。
そのため、多くの人や会社は、金融機関に預金口座を開設し、そ預金の口座の中で、入出金の管理をする事になります。
そして、この金融機関の預金口座の数は、金融機関の審査を通れば、複数所有する事が出来ます。
複数の預金口座での管理目的を決めて、効率的に資金管理をする場合には、よく使われます。
複数口座のうちに休眠口座になるものが出てくる場合があります
ところで、目的を持って複数の預金口座を開設したといっても、そのまま複数の口座を運用しなくなる場合もあります。
「複数口座を開設したけれど、一つの預金口座でも十分運用できそうだ」
「複数口座だと、資金移動をする手間が出てくる」
「当初の預金口座を開設した目的が今ではなくなった」
など、複数の預金口座を所有するメリットや必要性がなくなる事があります。
すると、使わなくなった預金口座がどうなるのかというと、二つに分かれます。
一つが、
「使わなくなった預金口座を閉鎖する」
という事です。
金融機関の預金口座は、入出金を管理する等、目的があるからこそ開設するのです。
そのため、預金口座開設の目的がなくなったのであれば、あえてその預金口座を引き続き所有する事は、管理の手間からいってもマイナスです。
そこで、使わなくなった預金口座を閉鎖するのです。
また、通常は、預金口座を閉鎖する場合には、金融機関に問い合わせをして、閉鎖手続きに必要な書類を用意してから、金融機関の窓口にて手続きをするか、又は、金融機関の営業担当者等に手続きをしてもらう事になります。
(インターネット銀行の場合には、その他の手続きになります)
そして、もう一つが、
「使わなくなった預金口座をそのままにしておく」
という事です。
これは、今は、この預金口座を使う必要がなくても、将来的に使う必要が発生する場合があるために、それまでの間は、その預金口座はそのままにしておいて、将来使うようにするという事があります。
実際、預金口座をいったん閉鎖して、新たな預金口座を開設すると、預金口座の閉鎖と開設の手間がかかり、また、口座番号も変更になり、関係者への口座番号の周知も改めてしなければならない事になるので、このようなケースでは、預金口座をそのままにする事もあります。
ところが、使わなくなった預金口座について、一つの懸念事項が出てきました。
それが、
「使わなくなった預金口座が数年間以上そのままとなっている」
という事です。
この預金口座の事を
「休眠口座」
又は
「不稼働口座」
と呼ぶのです。
各々の言葉通り、預金口座が休眠している、稼働していない、という意味であり、何年も入出金が行われていないのです。
この場合には、金融機関の預金利息が付くケースくらいしか入出金が発生しない事になり、個人や会社自らの意思で入出金が行われない事になります。
金融機関は、休眠口座・不稼働口座の管理をしなければなりません
預金口座の開設者は、この休眠口座・不稼働口座を所有していたとした場合、日々特に管理をしませんが、何もしなければ、その口座は今後も残り続ける事になります。
すると、金融機関は、その休眠口座・不稼働口座を管理し続けなければなりません。
そして、金融機関によっては、休眠口座・不稼働口座を合計すると、膨大な数になっている場合があります。
その場合には、休眠口座・不稼働口座を管理するのに、金融機関はコストをかけている事になります。
加えて、休眠口座・不稼働口座の数は今後も増えていく事が想定されます。
それは、
「預金口座を増やしても、費用がかからない」
と預金口座開設者は考えるからです。
休眠口座・不稼働口座の管理手数料が今後発生する場合があります
そこで、休眠口座・不稼働口座への対策として、金融機関は、休眠口座・不稼働口座の管理手数料を徴収するという方針を検討しています。
現時点では、最大手メガバンクでは、
「新規開設分の預金口座で、2年間取引がない休眠口座・不稼働口座については、2020年10月以降は、「口座管理手数料」を徴収する」
という検討をしています。
これは、どういう仕組み化というと、2020年夏頃には、口座管理手数料に関する周知を行ない、その後に、新規で預金口座を開設した場合で2年間取引がない休眠口座・不稼働口座に限って手数料を徴収するというものです。
そして、口座管理手数料が差し引かれて、最終的に残高がゼロになった場合には、預金口座を自動解約するというものです。
これは、既存の預金口座開設者ではなく、新規の預金口座開設者に対してのものとなります。
海外では、既に預金口座の管理手数料を徴収している場合があります
この口座管理手数料というのが日本で取り上げられていますが、この話は、アメリカや一部のアジア諸国、その他の国の金融機関でも既に徴収されているのです。
海外での預金口座に関する管理手数料が発生するケースとしては、次の二つなどがあります。
一つ目が、「口座管理手数料」です。
これは、休眠口座・不稼働口座を対象として発生する手数料です。
二つ目が、「口座維持手数料」であり、こレは、休眠口座・不稼働口座に限らず、全ての預金口座を対象に発生する手数料です。
超低金利の昨今では、金融機関の収益力が落ちてきているために、口座管理手数料の検討がされました
ここ数年は、日本銀行がマイナス金利政策を導入した事により、金融機関の利益が減少してきています。
これはどういう事かというと、金融機関は、顧客が預け入れた預金を元手に、その預金金利よりも高い利率で融資を実行して、その「利ざや」で収益を確保してきました。
しかし、マイナス金利政策により、「利ざや」が減少してきて、その分、今まで発生してきたシステム費用が人件費を賄いきれなくなったのです。
そのため、その部分を補う等のために、口座管理手数料の話が出てきたのです。
今後も他の金融機関も口座管理手数料を徴収する話が出てくるかもしれません
この「利ざや」の減少は、メガバンクだけでなく、地方銀行や信用金庫等についても課題となっています。
そこで、最大手メガバンクが口座管理手数料を検討していることがメディアでも取り上げられるようになると、これからは、他の金融機関も口座管理手数料を検討する事も十分考えられます。
口座管理手数料への対策という事でなく、そもそも、休眠口座・不稼働口座の整理を検討しましょう
休眠口座・不稼働口座に対して口座管理手数料を徴収されるようになるのは、どの金融機関で、いつから実施されるのかといった事は現時点では決まっていません。
しかし、口座管理手数料とは別に、そもそも、休眠口座・不稼働口座を所有していると、自分・自社の預金口座管理にいくらかの手間が発生してます。
そのため、今後も使う事がない休眠口座・不稼働口座を今のうちに閉鎖するというのも方法の一つとしては大切です。
いざ何かあった時に、休眠口座・不稼働口座の対応をしなければならなくなったとしたら、更なる手間が発生する事になります。
今のうちから、休眠口座・不稼働口座の対策をされてはいかがでしょうか。