江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

クレジットカード決済の比率が増加した飲食店や小売店などの業態は、資金繰りにご注意下さい

クレジットカード決済の比率が増加した飲食店や小売店などの業態は、資金繰りにご注意下さい

令和1年10月1日より、キャッシュレス決済が広まってきています

消費税の税率が、今年の10月1日より、8%から10%に増加しました。

これに伴い、消費が減速するのを抑えるために、一定のキャッシュレス決済をした場合には、「キャッシュレス・ポイント還元事業」制度のもと、支払時の5%または2%がポイント還元されることになりました。

この制度は、来年の6月30日までの期間限定で実施されますが、それでも、手元にお金が残るので、多くの方が利用を始め、それに伴い、キャッシュレス決済の割合が大幅に増えました。

キャッシュレス決済の場合には、代金支払のタイミングが種類によって違います

ところで、ひと口にキャッシュレス決済といっても、種類は様々であり、そして、代金決済のタイミングが違います。

例えば、電子マネーの場合には、前払いで電子マネーにチャージをして、買い物時にそこから代金を支払います。

QRコード決済であれば、前もってスマートフォンなどにチャージをしておいて、そこから買い物時に支払います。

この電子マネーやQRコード決済の場合には、基本的に、買い物時に代金が支払われることになります。

しかし、クレジットカード決済の場合には、この代金決済のタイミングが大きく異なります。

クレジットカード決済は、基本的に締め日に応じて売上代金が入金になります

クレジットカードは、買い物客からは、買い物時にクレジットカードを会計時に渡して、その場で会計が終了しますが、顧客のお金は、いつその買い物代金分が減るのでしょうか。

それは、

「クレジットカードの締め日に応じた支払日」

に決済されます。

例えば、クレジットカードの締め日が、毎月20日締め翌月20日払の場合を考えると、

11月18日に11,000円の買い物をすると、締め日が11月20日までの期間に対応するため、翌月の12月20日に実際の決済が顧客側でされます。

そして、店舗側では、どのようになっているのかというと、

クレジットカードの決済事業者との契約に基づいて、売上代金の入金日が決まっています。

毎月10日・20日・末日で締め日を設定して、締め日後5日に入金になるような場合には、15日・25日・翌月5日というように、入金が行われます。

もちろん、クレジットカードによっては、売上日の翌日には入金になる場合もありますが、そうでない場合には、締め日がある程度決まっている場合がほとんどです。

クレジットカード決済の場合は、売上代金が実際に手元に入金になるのは、数日後になる場合があります

つまり、クレジットカード決済の場合には、売り上げたその日にお金が手に入るのではなく、その締め日に応じた決済日のため、数日後になるという事です。

現金売上であれば、その場でレジに入金になり、一定の電子マネーやQRコード決済であれば、口座にすぐに入金になりますが、クレジットカードはそうではないのです。

そして、このキャッシュレス決済が広がりを見せる10月1日以降は、多くの店舗でクレジットカードの決済比率が高まってきているのです。

資金繰りには、くれぐれも注意しましょう

クレジットカード決済であれば、決済事業者に手数料を支払い、その差額が定期的に入金になります。

売上代金が全て手数料や税金に取られるわけではないので、最終的にはキャッシュが残る形になりますが、「お金」として入金になるのが、数日後になってしまうのです。

「何日か待てば入金になるんだったら、大丈夫だよ」

と考えていたら、大変です。

今まで現金商売をしていたら、クレジットカード利用分だ売上代金の入金タイミングが後倒しになります

日々の売上が110,000円で、全て現金で入金になっていた店舗で、もし、そのうちの半額がクレジットカード決済になったとしたらどうなるのでしょうか。

そして、前述のように、毎月1日から10日までの売上代金が15日に入金になるようであれば、この十日間は、次のような資金繰りになります。

10日間分の売上:110,000円×10日=1,100,000円

10日間で、毎日現金として手元に入るもの:110,000円×50%=55,000円

10日間で、毎日現金として手元に入らないもの:110,000円×50%=55,000円

10日になっても、手元に資金が入ってこないもの:55,000円×10日=550,000円

このように、「すぐに使えるお金」が手元にないのです。

また、現金商売をしている店舗で、もし、現金仕入をしていたらどうなるでしょうか。

仕入れ代金を日々の売上代金から支払っているケースもあると思います。

そのような場合で、現金支払い出来る金額が減るわけですから、結果として、日々の資金繰りは厳しくなるのです。

もちろん、それを見込んで後日入金になる売上代金の事は考えなくても、資金繰りが安定しているのでしたら良いですが、そうではないケースもあります。

今まで現金商売をメインにしていた店舗は注意が必要です

そのため、従来は現金商売がメインの店舗の場合には、必然的に売上代金の一部の入金が後倒しになるので、それを見込んだ資金繰りを考えなければなりません。

「お客さんがキャッシュレス決済を希望しているから、うちもしなければならない。」

という考えも間違ってはいませんが、事業として存続させる事を考えた時には、キャッシュレス決済をするにあたり、資金繰りをきちんと考えなければなりません。

資金繰りや、採用するキャッシュレス決済の種類を考えてから実際にキャッシュレス決済を導入するようにしましょう

資金繰りを考えるのと合わせて他にも考える事があります。

それが、

「キャッシュレス決済の種類をどうするのか」

「キャッシュレスの決済事業者をどの会社にするのか」

という事です。

キャッシュレス決済も、店舗側からは、即時払い、後払いといったタイミングがあり、また、決済事業者によっては、売上代金の入金タイミングに制約があったり、手数料に開きがあります。

これらの事を踏まえ、キャッシュレス決済の導入をする上では、諸々の留意点をクリアするようにしましょう。

事業資金を安定出来るようにキャッシュレス決済を導入しましょう

キャッシュレス決済にも、いくつかの利点があります。

しかし、利点がある反面、資金繰りなどの不安要素も出てきます。

そのため、自店舗の資金繰りを考えながら、かつ、顧客の声も出来る限り採り入れて、バランスの取れたキャッシュレス決済の仕組みを導入するようにしましょう。

記事執筆者

税理士 佐藤充宏
東京都江東区で税理士事務所及びファイナンスコンサルティング会社を経営している佐藤充宏と申します。

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