どのようなビジネスでも、顧客がいる事により、売上を計上する事ができます。
そして、その売上金額は顧客毎の販売価格の積み上げです。
更に、その販売価格は
「単価×数量」
で決まります。
商品構成により販売価格が異なるため、企業は、どの商品をいくらの単価で設定して、どのくらいの数量を販売するのかを綿密に考えています。
商品開発にあたり先行投資をしてコストをかけているのであれば、そのコストを回収できるような価格設定にしなければなりません。
一つあたりの商品の粗利を少なく設定するのであれば、数多く販売できるようにして利益を多く積み上げる必要があります。
この販売戦略を誤ってしまうと、利益が確保されず、かえって販売すればするほど赤字になってしまうケースもあります。
そこで、きちんと利益を出すために、まずは、商品・サービスの「単価」をしっかりと決めましょう。
「単価」は、企業・店舗としては顧客に買っていただきたい金額にしたいですが、その「単価」が顧客に納得できる金額でなければなりません。
顧客満足度が低ければ、
「こんな金額の割に合わない商品やサービスを買っても納得できない」
といって、買ってもらえません。
そのため、顧客満足度を満たす事が出来るような「単価」設定をしなければなりません。
それには、その商品やサービスの提供価値が高くなるようにしなければなりません。
例えば、銀座にある高級ブランドショップを例に挙げてみましょう。
そのショップは一等地にあり、ビル一棟全てをそのブランド色が出るようなデザイン・設計にしています。
そして、そのショップに入店する際には、スタッフが扉を開けて出迎えて、店内では極上の接客でもてなしてくれるのです。
そのような店内で商品を購入すると、立派な箱と袋に入れてくれます。
ショップを出る時には、優越感・満足感でいっぱいになっていますが、実際には高額な商品を購入しているのです。
しかし、それでも不満が出る事はありません。
もし、同じ商品が他の店で立派な箱や袋に入れてもらえず、レジ袋のようなもので包装されたとして、同じ金額で購入するのでしょうか。
購入しないはずです。
顧客は、そのブランドショップで商品を買ってショップを出る時までのプロセスも味わってお金を払っているのです。
そのプロセスがないのにお金を払う事はしません。
そして、そのブランド戦略でも、顧客が納得する価格設定にして、利益を確保するようにしています。
「低価格では、かえって顧客満足度が得られない」
と考えています。
そして、「単価」は販売数量を見据えての設定となるので、一日あたりどれだけの顧客に販売する事が出来るのかも考えてのものとなります。
販売数量が少ないのに売上金額を高くするには、一つあたりの「単価」を上げ、一人あたりの顧客に商品を販売するまでの時間を濃密に設定します。
このように、「単価」と「数量」はバランスよく設定する必要があり、設定した後は、このバランスを崩す事がないようにしなければなりません。
このバランスを崩すと、ブランディングにも影響が出るので、顧客への満足度が高まるような販売戦略を立てる必要があります。
思った以上に売上が上がらない、利益が確保できないという場合には、「単価」と「数量」を検証してみてはいかがでしょうか。