目次
はじめに
給与計算時に徴収する各従業員の住民税特別徴収税額は、市区町村から送付される
個人住民税特別徴収税額通知書
に基づきます。
この特別徴収税額通知書は、通常毎年5月から6月頃に市区町村から送付されてきます。
特別徴収税額通知書の種類
会社宛に市区町村から送られてくる特別徴収税額通知書には次の2種類があります。
1.特別徴収義務者用
特別徴収義務者である会社が保管するものです。
2.納税義務者用
会社から従業員に渡すものであり、特別徴収される住民税の内訳や住民税の算出根拠となった数値等が掲載されています。
この通知書について、令和6年度から運用方法等が変わります。
納税義務者用の特別徴収税額通知書の電子データでの受け取り
概要
納税義務者用として交付されている特別徴収税額通知書については従来は紙でしたが、
令和6年度分からは電子データで受け取ることができます。
メリット
紙での通知書を取り扱っていた従来は、次のような手間が発生していました。
・市区町村ごとに通知書の様式や用紙サイズが異なっているものがあり、確認や管理に手間がかかる。
・従業員配布用の納税義務者用通知書については切り離しをしなければならない場合がある。
・通知書従業員一人一人に漏れや誤りのないように配布しなければならない。
これらのデメリットが、電子データであれば、解消また大幅に削減されることになります。
流れ
会社:市区町村へ給与支払い報告書をeLTAXで提出。
↓
市区町村:特別徴収税額の決定を会社へ通知。
↓
会社:従業員へ特別徴収税額を通知。
↓
従業員:パスワードを取得の上、特別徴収税額通知データ内容を確認。
※住民税特別徴収税額通知の情報についてはデータ保護等がされているので、
データ開封するためにパスワードが必要です。
電子データの受け取りの条件
A.令和5年分給与支払報告書をeLTAX経由で提出している。
B.個々の納税義務者に電子的提供ができる体制が整っている。
※電子データの配布方法は、メールや社内システムを用いてのものが考えられています。
気になる点
1.特別徴収義務者用の通知書の受け取り方法はどのようになるのか
従来は、書面と電子データ(副本)の両方を受け取ることが可能でしたが、
書面または電子データのどちらかを選択します。
↓
現在は次の方法での受け取りとなっています。
① 紙(正本)を郵送で受け取る。
② 電子データ(正本)をeLTAXで受け取る。
③ 紙(正本)を郵送で受取、電子データ(副本)をeLTAXで受け取る。
↓
これらの方法が、令和6年度からは次のいずれかを選択することになります。
① 紙(正本)を郵送で受け取る
② 電子データ(正本)をeLTAXで受け取る
※令和6年度からは電子データ(副本)は廃止されました。
2.納税義務者用の電子データの受け取り義務の有無
納税義務者向けの特別徴収税額通知書の電子データの受け取りは義務ではありません。
電子データの受け取りは、
給与支払い報告書を提出する際に希望した場合に、
電子データの受け取りができます。
注意点
1.従業員毎に受取方法を選択することはできず、一律に受取方法を選択しなければなりません。
2.特別徴収義務者用の通知書については、令和6年度からは電子データと書面の両方の受け取りはできなくなります。
その他
上述の内容は現時点のものであるため、今後運用方法等が変更となる場合があるので、
詳細は最新の情報をeLTAXホームページ等でご確認ください。
まとめ
令和6年度から個人住民税の特別徴収税額通知書の受け取り方法が変わります。
納税義務者用である従業員向けの通知書については電子データでの受け取りも可能ですが、
特別徴収義務者用である会社向けの通知書についても運用が変わるので、早めにご確認をお願いします。
画像出典元:eLTAXホームページより
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