目次
扶養親族について
所得税法上、扶養親族については、概して、
その年の12月31日(納税者が年の中途で死亡しまたは出国する場合は、その死亡または出国の時)の現況で、
次の4つの要件のすべてに該当する人とされています。
(出国とは、納税管理人の届出をしないで国内に住所および居所を有しないこととなることをいいます)
(1)配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)等
(2)納税者と生計を一にしていること。
(3)年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4)青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていない、
または、白色申告者の事業専従者でないこと。
配偶者について
上述(1)に記載されている内容を確認すると、配偶者については扶養親族には該当しないことになりますが、
配偶者の場合には、一定要件に該当すれば、配偶者控除や配偶者特別控除の適用を受けることができます。
「生計を一にする」とは
所得税法基本通達では次の通り定められています
所得税法基本通達
2-47 生計を一にするの意義
法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではないから、
次のような場合には、それぞれ次による。
(1) 勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、
次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。
イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の
余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合
ロ これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合
(2) 親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、
これらの親族は生計を一にするものとする。
この内容に記載されているとおり、同居が必ずしも必要というわけではなく、
次のような場合にも「生計を一にする」として取り扱われます。
・勤務、修学、療養等の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合
・常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合
また、言い換えれば、親族が同一の家屋に起居している場合で、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、
「生計を一にする」ものとして取り扱われる事になります。
年間の合計所得金額について
現時点では合計所得金額が48万円以下となっています。
また、給与収入だけの人は、その給与収入金額が103万円以下の場合でないと扶養親族に該当しないことになります。
扶養親族と扶養控除
扶養親族に該当しても、必ず扶養控除の適用を受けられるわけではありません。
扶養控除の判断については扶養親族の年齢や同居の有無等により異なり、この内容は次回以降にご案内します。
その他
上述の内容は、令和5年分年末調整・確定申告において分かりやすくお伝えするため、概要でのご案内となっていますので、
個別の事例毎の取り扱いは、所轄税務署や税理士等の専門家にご確認をお願いします。
まとめ
扶養親族は、その年の12月31日の現況等で一定要件に該当する人ですが、
扶養親族に該当しても、必ず扶養控除の適用を受けられるわけではなく、
扶養控除の判断については扶養親族の年齢や同居の有無等により異なります。
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