目次
はじめに
信用保証協会の保証付き融資を受けるにあたって、多くの場合は金融機関から進められる保証制度に基づいて
借り入れ申し込みをしますが、実際には保証制度の種類はいくつもあります。
この保証制度の種類を理解することにより、自分が求めている融資に適した保証というものがわかるので、
今回は保証制度の種類をご紹介します。
小口零細企業保証制度
概要
一定要件に該当する小規模企業者を対象として創設された責任共有制度対象除外となる保証制度です。
金融機関から事業資金の保証付き融資の際に、多く勧められる保証制度でもあります。
対象となる事業者
次の中小企業信用保険法第2条第3項に定める小規模企業者
(1)常時使用する従業員の数が20人(商業・サ-ビス業は5人)以下で、
中小企業信用保険法施行令第1条第1項に定める業種に属する事業(以下「特定事業」という。)を行う
事業者(下記(2)に掲げる事業者を除く。)
(2)常時使用する従業員の数が業種ごとに中小企業信用保険法施行令第1条の2に定める数(宿泊業、娯楽業について20人)以下で、
特定事業を行う事業者
(3)事業協同小組合で、特定事業を行う事業者又はその組合員の3分の2以上が特定事業を行う事業者
(4)特定事業を行う企業組合で、その事業に従事する従業員の数が20人以下の事業者
(5)特定事業を行う協業組合で、常時使用する従業員の数が20人以下の事業者
(6)医業を主たる事業とする法人で、常時使用する従業員の数が20人以下の事業者(上記(1)から(5)に掲げる事業者を除く。)
担保
原則として不要です。
保証人
必要となる場合があります。
なお、法人代表者以外の連帯保証人は原則として不要です。
保証料率
各信用保証協会が定める保証料率
保証限度額
2,000万円(既存の信用保証協会保証付融資残高と合計して2,000万円以内)
保証期間
各信用保証協会が定める保証期間
借換保証制度
概要
デフレの進行等の中小企業・小規模事業者をめぐる厳しい金融経済情勢に鑑みて、
複数の保証付融資の債務一本化等を促進することにより、中小企業・小規模事業者の月々の返済額の軽減等を推進し、
中小企業・小規模事業者の資金繰りを円滑化することを目的に創設されました。
この借換保証制度の一つとして、いわゆる「コロナ借換保証」もあります。
内容
制度の内容等については、個別に信用保証協会又は金融機関等にお問い合わせください。
流動資産担保融資保証制度
概要
いわゆる「ABL保証」といわれる制度です。
中小企業や小規模事業者が自ら有する売掛債権や棚卸資産を担保として、金融機関から借入を行う際に、
保証を行う保証制度です。
担保
流動資産(売掛債権および棚卸資産)のみです。
なお、個別保証の場合は、売掛債権のみです。
保証人
必要となる場合がありますが、
法人代表者以外の連帯保証人は不要です。
保証料率
借入極度額・借入金額に対し年0.68%
保証限度額
2億円(金融機関からの借入限度額は2億5千万円)
(注)保証割合80%の部分保証
保証期間
根保証:1年間
個別保証:1年以内
特定社債保証制度
概要
社債の発行により資金調達の円滑化を図り、資本市場から直接資金調達を行う中小企業・小規模事業者の方のための保証制度です。
対象となる事業者
純資産額、自己資本比率、純資産倍率、使用総資本事業利益率、インタレスト・ガバレッジ・レーシオ等につき、
一定の基準を満たす事業者です。
担保
信用保証協会の所定のも野になります。
保証人
不要です。
保証料率
社債総額に対し、0.45%~1.90%
社債の発行形式
振替債
保証限度額
4億5千万円
(注1)保証割合が80%であることから、発行価額の限度額は5億6千万円
(注2)経営安定関連保証および危機関連保証を除く普通保証、無担保保証および本保証の合計は5億円以下
保証形式
取扱金融機関との共同保証
保証期間
7年以内
その他
1.保証制度については、上述以外の制度を実施している場合があり、また、
その時点での社会経済情勢等により内容が追加変更等となる場合があるので、詳細は、金融機関又は信用保証協会に確認をしましょう。
2.信用保証を受けるにあたっては、審査等の所定のプロセスが必要となるので、場合によっては、信用保証協会の保証承諾を得られない事もあります。
まとめ
信用保証協会では、ニーズに合わせて、小口零細企業保証・借換保証・流動資産担保融資保証・特定社債保証等の保証制度を設けています。
事業者側としては、自社に適した信用保証制度を活用し、資金調達を効率的に進めましょう。
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