素晴らしい商品やサービスの開発をしても、市場に参入できなかったり、また、営業やマーケティングをしても思うように成約に結びつかないこともたくさんあります。
また、コロナ禍においては、今までの事業スタイルでは成立しない場合もあります。
もちろん、いつまでも新型コロナウイルスの影響により売り上げが上がらないという状況に留まっているわけにはいかないので、
今の時代に即応した商品やサービスを新たに提供できるようにしなければなりません。
一方で、会社としては前向きに取り組んでいても、すぐには売上に結びつかず、経費だけが出ていき、資金繰りが厳しくなることがあります。
そのような時に、取引先へ支払うべき買掛金や未払金などの債務を支払えない状態が出てくる場合があるかもしれません。
目次
営業上の債務の支払い
事業活動では営業上の支払うべき債務というものが発生します
仕入代金
外注費
光熱費
通信費
士業やコンサルティング会社への報酬
設備投資
家賃 等
ビジネス上の取引では、モノやサービス等の提供をした相手側はその提供に対する対価の見返りとして支払いをしてもらいます。
この支払いをすることにより、取引が成立し、お互いの信頼関係が構築されます。
しかし、この支払いが実行できない状態が発生した場合にはどうなるでしょうか。
債権者と債務者との関係
前金での支払いでなければ、基本的にモノやサービス等の提供を受けた後に支払いが発生します。
つまり、提供者側では最初にモノやサービス等の提供にかかわるコストを負担しています。
そして、そのコストを回収してはじめて、提供者側では事業資金が手元に入るのです。
この回収ができなければ、提供者側ではその提供分の事業資金が入らず、資金繰りがその分マイナスになります。
しかし、実際に債務者側でお金を支払いたくても全額支払えない場合が出てくるかもしれません。
今は状況が厳しく、改善するまでは売上の目途が立たないため、それまでは入金の見込みがないことが出てくるかもしれません。
しかし、債権者側では、その入金を待っています。
債務者が債権者へ支払できない場合
債務については、通常、支払期日が設けられています。
契約書や請求書にも明記されているケースが多いですが、現金取引でなければ、その商取引に関する書面に則って支払をしなければなりません。
しかし、支払期限までに支払えない場合にはどうすべきでしょうか。
支払期限までに債務の支払いができない場合
必ず、債権者へ支払期限までに支払が出来ない旨を早めに連絡しましょう。
債権者は、その入金を元に事業資金計画を組んでいます。
その支払ができなければ、債権者に大きな迷惑がかかるので、どうしても支払えない見込みであれば、
お詫びの言葉
支払いできない理由
支払い可能な日
全額支払えない場合には、分割での支払相談
等を伝えなければなりません。
債権者も債務者の成長発展を考えています
取引先が成長発展することにより取引が継続し、今後の互いのwin-winな関係を築く事ができます。
もちろん、取引とは別に相手の人間性に惹かれ、心情的に成長発展を考えることもあります。
ところが、もしこの支払遅延が発生することが分かっていても、債権者に連絡しないとしたらどうなるでしょうか。
支払期限後にいまだに入金がされていなければ、債権者側では入金がされていない理由といつ支払ってくれるのかを債務者側に確認をしなければなりません。
事前に言ってくれればいいのに
債権者側はもちろんそのように考えます。
支払いができない債務者側では、それを伝えるのが恥ずかしかったり、相手先に対して威厳を保てない等と考えるかもしれません。
また、近いうちに入金があるので、それをもとに支払えばいいから、連絡は遅れてもいい、しなくいてもいいと考えていることもあるかもしれません。
しかし、相手先にしてみればどうでしょうか。
取引はお互いの信頼関係から成り立っています
事業であれば、その取引による代金の決済がなければ成立しません。
今では、メールやSNS でのメッセージ機能でコミュニケーションを取ることができたり、また携帯電話でもお互いに連絡を取ることができます。
しかし、債権者側からそのような連絡があったとしても、携帯電話メールでは発信元が出ますので、都合の悪い電話には出ないケースもあります。
そのような場合、債権者側では連絡の取りようがなくなってしまいます。
ちゃんと話して欲しい
債権者側ではそのように考えます。
もう少しだけ待ってほしい
来週には支払いができるかもしれない
債務者側はそのように考えているかもしれません。
しかし、債務者側の考えはきちんとコミュニケーションを取らない限りは伝わりません。
支払い期限に支払ってくれない
少額の分割でもいっこうに支払いに応じない
メールや電話にも、当時の担当者や責任者が出なくなり、その後の対応者がその上司でもなく、今までのやり取りの経緯を把握していない人に変わった
代表者が今まで支払督促の話を受けていても、業務が忙しい等の理由で連絡が取れなくなる
人と人とがコミュニケーションを取り、その上で信頼関係が構築されます。
不誠実な対応をしてしまうと、その時点で信頼関係が崩れてしまいます。
支払督促をする側の考えと督促を受ける側の考え
支払いをする側は入金があった時に支払うとしか答えられないかもしれませんが、長期間支払いを待っている側からすれば、
定期的に今どのような状態になっているかを知りたいものです。
支払いが遅延している相手先から、10日後だったら支払いを受けると話しがあったのに、もし支払いがされていなければ、もちろん連絡をします。
その連絡を受ける支払側の担当者であれば、督促の連絡を受けるのは苦痛かもしれませんが、督促をする側では当たり前の行動になります。
債権者側からの電話の話では、同じ話の繰り返しや聞きたくない話があるかもしれませんが、
債権者側では金額の大小にかかわらず支払ってもらうべき金額が遅延していれば、督促するのは当然の流れです。
今までは、代表者と直接話をしてたのに、電話にも出ず、メールも返信してくれなくなった。
間に担当者が入ってしまうと、「入金があるまで待ってほしい。いつも連絡されても困る。」
という反応が返ってくる事もあるかもしれません。
また、最初の段階であれば分割払いの相談に応じたり、信頼関係を出来る限り維持できるように取り組んでも、不誠実な対応が続くのであれば、
長期間経過後に分割払いの話を受けたとしても、経過した期間分の事業資金が1円も入金がないので、分割払いの相談に応じることも債権者側でできなくなってしまいます。
相手を思いやる誠実な対応
誠実な対応をするためには相手の気持ちを考えなければなりません。
それは商取引においても同じです。
誰でも100%完璧な対応ができるわけではありませんので、失敗した時はそのリカバリーをするために誠実かつ迅速に対応しなければなりません。
そして、その失敗により相手先へ迷惑をかけた場合には、その相手先へのフォローも継続して行わなければなりません。
支払いが滞ってしまった場合には、相手を思いやる誠実な対応を心掛けなければなりません。