在庫を保有するという事は、将来的な売上に繋がる反面、不良在庫化してしまうと、いつまでも在庫として抱えてしまい、
最終的には、廃棄処分となってしまうかもしれません。
そうなってしまったら、その在庫の仕入代金の回収はできず、会社の資金繰りが悪化する要因となります。
そのため、無駄な仕入れはせずに、適正な在庫を保有したいものですが、いったいどのようにしたら良いのでしょうか。
流行や季節変動のない商品の在庫管理の場合
今回は、その商品自体に時間の経過による劣化や破損、価格変動がなく、毎月定期的に一定数量の販売が見込まれているA商品についてのお話になります。
A商品については、9月から仕入販売する事を決めて、仕入先の選定も完了しました。
そして、その仕入先から最初の9月にはどれだけの仕入数量をするのかを検討し、市場調査をしたところ、毎月900個くらいの売り上げが見込めそうでした。
また、機会損失がないように、100個をストックとして保有するようにしたいと考え、9月は1,000個仕入れる事にしました。
9月の販売数量を集計してみると、
仕入1,000個に対して
売上800個
在庫200個となりました。
当初見込みより、100個売り上げが未達でした。
そこで、10月以降の売り上げ見込み数量を当初の900個から800個に変更しました。
その際に、10月の仕入を700個にしました。
この700個というは、
在庫が適正数量の100個ではなく、200個となっている
↓
100個にするため、うち100個分の仕入数量を減らして、9月の在庫100個分を販売に充てる
という事を考え、
販売数量800個見込みの内訳は、
9月在庫分100個
10月仕入れ分700個とするのです。
そして、10月の販売数量実績は800個となりました。
これにより、見込みと実績が一致し、在庫も当初見込みどおりの100個となりました。
今後も特に見込みと実績の販売数量に差がなければ、800個を毎月仕入れれば良いです。
そして、在庫を極力減らすために100個から20個に減らしたいのであれば、80個分を翌月の販売に充てるようにして、
毎月の販売見込み数量800個から80個分を引いた720個を仕入れるのです。
そうすれば、販売見込みと実績は一致し、在庫は20個となります。
在庫管理の実際
上述は、分かりやすく説明するために、理論的に成立する話をしました。
もちろん、実際には、
もっと販売数量を増やしたい、
当初予定より販売数量は少なかった、
仕入の単価が上がってしまった、
市場ニーズが一過性のため、一時期のみの販売にする方針である
等の多種多様な事象は発生します。
その場合には、その事象を加味した上で仕入調整をする事となります。
会社として心掛けたいのが、
過剰在庫を抱えない、
機会損失を逃さない。
という事があり、この課題解消は難しいですが、取り組まなければなりません。
まとめ
適正な在庫管理方法の一つとして、販売数量を見込んで仕入をし、販売後の在庫数量が適正数量になっているようにしますが、
季節性のある商品、陳腐化・劣化が早い商品、ニーズのある商品等で適正在庫数量が異なりますので、自社に適した商品毎の在庫管理方法を見つけましょう。