毎年度、会社は決算を組んで、その事業年度の売上や原価・経費・利益を損益として算出し、決算期末時点での財政状態やその事業年度中の資金繰りの状況を財務諸表等で
開示します。
この決算での数値というのは実績値です。
一方、その事業年度の数値を予め見込みで算出する会社もありますが、この際の数値は予算値です。
もちろん、予算値なので、その数値通りになるかは分かりません。
予算編成
例えば、会社であれば、各部門において、令和4年度予算を編成する場合には、現時点での令和3年度実績値と令和4年度以降の業績目標を念頭において、
そして、支出に関していえば、その目標達成のために必要な設備投資や経費予算を組みます。
この中で支出に関わる設備投資や経費予算については、令和3年度のうちから、取引先を選定して見積もりを取る等して、数値に信頼性のあるものを織り込むようにします。
このような予算を各部門が算出して要望を出しますが、もちろん、会社としての原資は限られるので、満額での決裁承認を出せない事もあります。
すると、各部門間での調整や折衝、会社全体での割り振りの見直し等を何回もおこない、その結果として予算が編成されます。
また、その後の外部環境等の変化に応じて、補正予算を組む場合もありますが、会社の大事な事業資金を計画通りに循環させるために、決められた予算に応じて
事業活動を全社一丸となって行います。
予算の消化と未消化
令和4年度の予算が決まった後に、実際に令和4年度事業年度が進行すると、その進行に応じて実績値が確定します。
すると、部門として、会社として、その数値を分析・検証します。
業務委託費として、3,000万円の実績値が発生したのであれば、その予算値は3,000万円か2,500万円、3,500万円であったのか。
そして、予算値と実績値で許容量を超える差異が発生した場合には、なぜこのような差異が発生したのかを究明します。
予算通りの実績値であれば、数値上は議題には上がりませんが、予算を上回る実績値であれば、当初計画を超える支出なので、当初予算を組みなおしたりしなければなりません。
一方、予算を下回る実績値であればどうでしょうか。
事業資金を節約できて会社にお金を残すことが出来たのだから、未消化分があるのは良いことだ。
という考えが出てきた場合はどうでしょうか。
その未消化の理由等にもよりますが、予算は、各部門に割り当てられていて、もっと多額の予算枠があれば、より事業成長に繋がる投資ができている場合もあります。
しかし、その分の予算が割り当てられないのに、実際には未消化予算が多くなってしまったらどうでしょうか。
A部門で未消化が3,000万円判明したとしたら、B部門では、当初予算時にその3,000万円をB部門に割り当ててくれれば、事業成長に繋がっていたと思うかもしれません。
また、グループ会社であれば、その関係会社への支払いが予算編成時より3,000万円未消化であれば、その関係会社の経営成績にマイナスの影響を与えることになります。
もちろん、単純に予算を組んだら、その金額通りに消化すれば、何をしても良いというわけではありませんが、未消化は重く受け止めなければならない場合があります。
まとめ
会社の予算編成には大切な事業資金が割り当てられますので、一つ一つの経費額や投資額等をきちんと積み上げて適切な消化をして、
全部門、そして、自社の成長・発展に繋がるようにしましょう。