消費税のいわゆるインボイス制度において、適格請求書発行事業者は、買い手側からの求めに応じて原則として適格請求書を交付しなければなりませんが、
一部の取引については、一定要件のもとで、適格請求書の交付が免除される場合があります。
そのうちの一つに、
3万円未満の自動販売機や自動サービス機による資産の譲渡等
がありますが、具体的にどのようなものでしょうか。
目次
参考となる消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する取扱通達の規定
(自動販売機及び自動サービス機により行われる課税資産の譲渡等の範囲)
3-11規則第26条の6第1号に規定する「自動販売機又は自動サービス機」とは、商品の販売又は役務の提供
(課税資産の譲渡等に該当するものに限る。以下「商品の販売等」という。)及び
代金の収受が自動で行われる機械装置であって、
当該機械装置のみにより商品の販売等が完結するものをいい、例えば、飲食料品の自動販売機のほか、
コインロッカーやコインランドリー等がこれに該当する。
(注) 小売店内に設置されたセルフレジなどのように単に代金の精算のみを行うものは、
これに該当しないことに留意する。
適格請求書の交付義務が免除される自動販売機特例の対象となる自動販売機や自動サービス機
上述の法令の通り、
・課税資産の譲渡等に該当する商品の販売又は役務の提供及び代金の収受が自動で行われる機械装置である。
・その機械装置だけで商品の販売又は役務の提供が完結する。
というものになります。
そして、該当するものとしては 、
飲食料品の自動販売機
コインロッカー
コインランドリー 等
とされています。
例えば、ペットボトルのお茶を買おうと、通り沿いの自動販売機にお金を入れて、取り出し口からペットボトルを取り出す行為が該当します。
その他に、国税庁ホームページで紹介している事例が、
金融機関のATMによる手数料を対価とする入出金サービスや振込サービスのように機械装置のみにより代金の受領と資産の譲渡等が完結するもの
となります。
適格請求書の交付義務が免除されない自動販売機特例の対象となる自動販売機や自動サービス機
一方、これに対して、適格請求書の交付が免除されない、つまり、交付をしなければならないケースとしては、次のようなものです。
1、下記のように、資産の譲渡等は別途行われるようなもの。
・小売店内に設置されたセルフレジを通じた販売のように機械装置により単に精算が行われているだけのもの。
・自動券売機のように代金の受領と券類の発行はその機械装置で行われるもの。 等
2、その他
ネットバンキングのように機械装置で資産の譲渡等が行われないもの。 等
まとめ
消費税のいわゆるインボイス制度において、適格請求書発行事業者は、3万円未満の自動販売機や自動サービス機による資産の譲渡等については、一定要件のもとで、
適格請求書の交付が免除される場合がありますが、
・課税資産の譲渡等に該当する商品の販売又は役務の提供及び代金の収受が自動で行われる機械装置である。
・その機械装置だけで商品の販売又は役務の提供が完結する。
等の要件を満たす必要があります。
出典参考資料:
国税庁
消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A
問 38 3万円未満の自動販売機や自動サービス機による商品の販売等は、適格請求書の交付義務が免除されるそうですが、具体的にはどのようなものが該当しますか。
【令和3年7月改訂】