この度、令和3年度与党税制改正大綱が与党内で決定しました。
そこで、今回は、その概要についてご案内します。
目次
税制改正の流れ
税制改正に関しては、今後、次のような流れで決定されます。
各関係省庁から要望事項が税制調査会に集約され、そのにつき検討が行われます。
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12月頃になると、与党内で来年度の税制改正の大綱を決めます。
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大綱に関し閣議決定します。
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来年1月の国会に関連法案が提出されます。
令和3年度与党税制改正大綱の7つの柱
今回の税制改正の柱となる項目は次のとおりです。
1. ウィズコロナ・ポストコロナの経済再生
2. デジタル社会の実現
3. グリーン社会の実現
4. 中小企業の支援、地方創生
5. 経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直し
6. 経済のデジタル化への国際課税上の対応
7. 円滑・適正な納税のための環境整備
税制改正大綱のいくつかのポイント
多くの項目が税制改正に織り込まれていますが、そのうちのいくつかをご案内します。
・コロナ禍を踏まえた賃上げ及び投資の促進に係る税制の見直し
・研究開発投資を増加させた企業については、控除上限を法人税額の25%から30%に引き上げ
・一部制限のあった繰越欠損金控除を最大100%控除可能とする
・自社株式を対価として、対象会社株主から対象会社株式を取得するM&Aについて、対象会社株主の譲渡損益に対する課税の繰り延べ措置を講じる
・固定資産税について、令和3年度に限り、負担調整措置等により税額が増加する土地について前年度の税額に据え置く特別な措置を講じる
・住宅ローン控除を13年間受けられる特例を2年間延長する
・税務関係書類の押印義務や電子帳簿保存制度の見直し
・地方税務手続きのデジタル化推進
もちろん、その他にも多くありますが、上記内容を含め、これらの税制改正については、所定の要件に該当した場合に適用され、そして、その内容に応じて施行時期が決まっています。
まとめ
令和3年度税制改正大綱が与党内で決定し、今後は所定の手続きで法案が決定し、施行されます。
コロナ対策、デジタル化、グリーン社会、税制の見直し等が盛り込まれた内容であり、会社にとって対応が必要な内容を確認の上、税制改正に向けた準備をしましょう。