前回の投稿では、年末調整の電子化についてご案内しましたが、会社側と従業員側で各々やるべき事が今までと異なる事になります。
そこで、今回は、従業員が今後やらなければならない事についてご案内致します。
今まではペーパー(紙)でやり取りしていました
令和1年分までの年末調整では、次のような流れで、従業員は年末調整をしていました。
1、会社からの年末調整案内の内容確認
10~12月の間に案内を受け、前年までの内容と変更がないのかを確認します。
2、必要書類の準備
主たる給与を受けている会社で年末調整を実施するのがほとんどのケースですので、次の年末調整用の申告書を作成します。
・扶養控除等申告書
・保険料控除申告書
・配偶者控除等申告書
そして、保険料の控除や住宅ローン控除の適用を受ける場合には、
・保険料控除証明書
・住宅借入金等特別控除申告書
・金融機関発行の住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
といった書類を別途提出します。
たいていの場合は、会社で提出期限と提出書類を告知して、従業員は期限までに必要書類を提出します。
そのため、ペーパー(紙)で年末調整の手続きをする事になります。
年末調整の電子化をする場合には、従業員はデータで情報の提供をします
年末調整の電子化が始まると、従業員はデータで年末調整に関する情報を提供する事になりますが、どのような流れになるのでしょうか。
1、年末調整申告書作成用のソフトウェアの取得
今までは従業員側ではソフトウエアを利用する事はありませんでしたが、
国税庁が提供する「年末調整控除申告書等作成用ソフトウェア」等
を利用する事になるので、このソフトウエアを取得します。
そして、この利用するソフトウエアをどうするのか等については、会社に確認するか、又は、会社から周知される事になります。
どのパソコンにインストールするのか。
インストール後はどのように運用するのか。
といった事等を決めて、その後に、保険会社等から取得する控除証明書等データを利用して年末調整申告書データを作成します。
2、マイナポータル連携の利用の有無を決めて、控除証明書等のデータ取得をする
マイナンバーカードを活用して、マイナポータルと連携する場合と、連携しない場合で、保険の控除証明書等のデータ入手方法が異なります。
(1)マイナポータル連携を利用する場合
民間送達サービスに送達された複数の控除証明書等データをマイナポータルを通じて年末調整申告書データの作成中に一括取得します。
そのため、下記(2)のひょうな控除証明書等データを取得する必要がありません。
(2)マイナポータル連携を利用しない場合
保険会社等のホームページ等から、控除証明書データを取得します。
マイナポータルを利用すれば、保険会社等のホームページ等からわざわざ取得しなくても良いというイメージです。
3、会社へ年末調整データを送信します
会社の利用している給与システムによりますが、従業員が入力した年末調整データを会社へ送信し、会社はそのデータ内容を確認して、状況によっては、従業員に修正依頼等をする形となり、ペーパー(紙)でのやり取りがなくなります。
まとめ
従業員側では、
・年末調整控除申告書等作成用ソフトウェアのインストール
・マイナポータル活用の有無
という、この2つの対応方法を決めれば、あとは、データを入手し、必要な項目を入力して、会社へデータ送信すれば、手続上は完了となります。
入力についても、控除証明書等については、自動入力される部分があるため、従業員が今までと同じ項目を埋め無くて済む事もあります。
わざわざ紙で保管しなくても済むし、今までより提出書類の内容に漏れや誤りが出る可能性も低くなると思われるので、年末調整の電子化にあたってのメリットが多ければ、事前に導入準備を進めるようにしましょう。