江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

経済というと難しく考えてしまいがちですが、例えば、会社員の方が給料を使った場合、お金がどのように流れるのかを考えると、経済の仕組みが見えてくる部分があります。

電卓とノート

 

多くの会社員の方は、給料日には、会社から口座に給料が振り込まれて、通帳に印字された金額分のお金が増えます。

 

そのままにしておけば、お金は減ることはありませんが、生活費等でえ必要なお金は口座から引き出して、現金として消費を行います。

 

ところで、このお金の流れを見る事により、経済の仕組みが見えてくる部分があるのをご存知でしょうか。

 

経済というと、

 

「何か大きい話のようで、よく分からない」

 

「国や行政が考えるような事なので、自分達が考えるようなことじゃない」

 

というように、難しく考えてしまいがちです。

 

でも、経済というのは国全体という事だけでなく、ひとりひとりの経済活動からも成り立っているのです。

 

そこで、今回は、身近な地域でのお金の流れを考えながら経済の仕組みを考えてみましょう。

 

例えば、弊所所在の江東区でひとり暮らしをしている会社員Aさんであれば、

 

毎月、給料日に会社から給料30万円が振り込まれます。

 

すると、そのお金がどのように使われるのでしょうか。

 

10万円が家賃だとすると、その10万円は家主Bさんへ支払われますが、家主さんが江東区在住の方で、その家賃収入を使わずに手元においているのであればどうでしょうか。

 

Aさんから10万円のお金はなくなりますが、その家主Bさんに10万円が入金になり、そのまま残ります。

 

また、海外業者C社からインターネットショッピングで、家電5万円を購入すると、その購入代金5万円は日本でなく、海外業者C社に送金されて、日本からは5万円が減るという事になります。

 

更に、飲食店D店が開催した懇親会費用として消費税込み5,400円のお金をお店に支払ったとしたらどうなるのでしょうか。

 

その飲食店D店の消費税の計算方法や申告状況にもよりますが、単純計算では、5,000円はお店の売上として残りますが、消費税の400円は最終的に国に納税されることになります。

 

ここまでの内容でお金がどうなっているのかというと、

 

Aさんの手元には、

300,000円(給料)―100,000円(家賃)―50,000円(家電)―5,400円=144,600円

の現金が残り、

 

家主Bさんの手元には、

100,000円(家賃収入)

のお金が残ります。

 

海外業者C社の手元には、

50,000円(家電販売収入)

のお金が残ります。

 

飲食店D店の手元には、

5,000円(懇親会収入消費税抜)

のお金が残ります。

 

そして、

国(日本政府)の手元には、

400円(懇親会収入消費税分)

のお金が残ります。

 

こうしてみると、Aさんがお金を使った回数は3回だけですが、色々な登場人物の手元にお金が残るのです。

 

そして、お金を手にした登場人物やその関係者は、次のような事を考えるかもしれません。

 

家主Bさん:

毎月家賃として10万円を支払って頂きありがたい。

これからも長く住んで頂くために修繕などのメンテナンスも実施しよう。

 

海外業者C社:

日本の消費者から5万円の売上を上げる事が出来た。

今後も輸出取引も事業の柱として、営業をしていこう。

 

海外業者C社の所在する国(C社所在国政府):

C社のように、日本への輸出売上を事業としている会社が増えているから、今後も日本への輸出を拡大して、外貨獲得に繋げよう。

 

飲食店D店:

Aさんが懇親会に参加してくださったので、売上が増えた。

今後も懇親会の企画をブラッシュアップして参加者を増やして、店のお金をもっと増やそう。

 

国(日本政府):

消費税の税収が確保でき、日本国内で消費活動をおこなって頂き有り難い。

これからも、消費活動を促進するような政策を打ち出していこう。

 

 

このように、会社員Aさんがお金を使うことで、これだけの経済効果が生まれるのです。

 

Aさんからお金を頂いた関係者は、さらにそのお金を活用したり、入ってくるお金をさらに増やそうとします。

 

これが経済活動でもあるのです。

 

このように考えると、自分の使ったお金がどのように流れるのかを考えると、お金の使い方を工夫したりすることに繋がるのです。

 

よろしかったら、次にお金を使う時に、

 

「このお金を使ったら、そのお金はどのように流れていくのかな」

 

とイメージしながら経済を考えてみてはいかがでしょうか。

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