確定申告で年間の所得金額を計算し、その所得金額から控除される金額を算出して、最終的に申告する税額を計算し、所轄の税務署等にその内容を申告し、納税します。
ところで、その時には、法人では法人税・地方法人税や消費税、事業税・地方法人特別税・住民税などの種類の税金に関する納税をしますが、個人事業者についてはどのような種類の税金の納税が発生するのでしょうか。
考えられるのが、所得税や消費税・住民税が真っ先にイメージされると思います。
この2つの税金は確定申告書類を作成しながら申告納税額を算出するので、申告時にいくら納税するのかが分かるのです。
そして、住民税については、所得税や消費税と異なり、課税される年度が翌年度になり、その年の1月から12月分の所得金額等をもとに、来年度の住民税額を計算して、毎年5月頃に市区町村から納税通知書が送付されてきて、その段階で納税額を把握する事となります。
しかし、この種類だけでの税金の納税ではなく、もう一つの税金があります。
それが、
個人事業税
なのです。
この個人事業税は、その方の所得金額や営む事業の種類によっては発生しない場合があるので、ご存じでない方もいらっしゃるのが実情です。
そこで、この個人事業税がどのような税金なのかについてのご説明としての第1回をお知らせします。
個人事業税は、個人の方が営む事業のうち、地方税法等の法律で定められた法定業種と呼ばれるものに対して課税される税金です。
現在、法定業種は70種類ほどの業種があり、ほとんどの事業が該当します。
この70種類ほどの法定業種ですが、
法定業種ごとに個人事業税が課税される税率が異なっているのです。
第1種事業の種類と税率ですが、
物品販売業・飲食店業・不動産貸付業・製造業・保険業・不動産売買業・運送業などが該当し、
個人事業税の現行税率が5%。
第2種事業の種類と税率は、
畜産業・水産業などが該当し、
個人事業税の現行税率が4%。
第3種事業の種類と税率は、さらに2つに分かれます。
医業・歯科医業・税理士業・理容業・美容業・クリーニング業・弁護士業・デザイン業・コンサルタント業などが該当し、
こちらの個人事業税の現行税率が5%です。
そして、
あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復業などは、3%です。
このように、個人事業税がどのようなものに対して課税されるのか、そして、課税される税率が業種ごとに決まっているというのが、法律で定められています。
次回は、どのように個人事業税の税金の額を計算するのか等をご案内いたします。