税金の支払いにあたっては、
納付
と言った用語を使いますが、
その他に、
納入
という用語を使うこともあります。
よく使う用語が
納付
だと思いますが、
納付と納入は厳密には法律上は使い分けられています。
目次
納付に関する地方税法
地方税法
第1条 用語
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
~
八 申告納付 納税者がその納付すべき地方税の課税標準額及び税額を申告し、及びその申告した税金を納付することをいう。
~
申告納付と言う用語になっていますが、
納税者がその納付すべき地方税の課税標準額及び税額を申告し、及びその申告した税金を納付することをいう。
を読み解くと、
申告:納税者がその納付すべき地方税の課税標準額及び税額を申告する。
納付:納税者がその申告した税金を納付する。
という形になります。
つまり、
納税者自身が
税金を申告して納める場合が
納付
というイメージです。
納入に関する地方税法
地方税法
第1条 用語
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
~
九 特別徴収 地方税の徴収について便宜を有する者にこれを徴収させ、且つ、その徴収すべき税金を納入させることをいう。
十 特別徴収義務者 特別徴収によつて地方税を徴収し、且つ、納入する義務を負う者をいう。
十一 申告納入 特別徴収義務者がその徴収すべき地方税の課税標準額及び税額を申告し、及びその申告した税金を納入することをいう。
十二 納入金 特別徴収義務者が徴収し、且つ、納入すべき地方税をいう。
~
こちらの情報を読み解くと
申告:特別徴収義務者がその徴収すべき地方税の課税標準額及び税額を申告する。
納入:特別徴収義務者がその申告した税金を納入する。
という形になります。
つまり、
特別徴収義務者自身が
税金を申告して納める場合が
納入
というイメージです。
個人住民税の特別徴収の場合にはどちらを使うべきか
個人住民税の特別徴収の場合には特別徴収義務者が納税者本人の住民税を給与支払報告書の提出することにより住民税額が確定しその確定した住民税を特別徴収します。
そのため
納入
という用語が適切です。
江東区での納入という表現の参考例
江東区ホームページ内でも、次のように納入という用語を使っています。
給与からの特別徴収
給与からの特別徴収は、特別徴収義務者である会社・事業者等の給与支払者が、給与所得者(納税義務者)の給与から住民税を差し引き、
まとめて区へ納入していただく方法です。
給与支払者から市区町村へ毎年1月末日までに提出される給与支払報告書をもとに住民税の決定を行い、
毎年5月31日までに特別徴収義務者あてに特別徴収税額の通知をし、
6月から翌年5月までの12回に分けて給与から差し引いて納めていただきます。
給与支払報告書の提出については関連ページ「給与支払報告書の提出について」をご覧ください。
~
もちろん、他の自治体でも、納付と納入の用語を使い分けをしていますので、是非ご確認ください。
その他
都道府県や市区町村では業務上は用語の使い分けをしていますが、一般の方とのコミュニケーションの際には、状況に応じて支障のない範囲で、
一般の方に合わせるようにしていると思います。
またこちらのブログでも、税理士等の専門家以外にも一般の方がご覧になるので納税や納付と言った比較的良く使われる用語の方を使うこともありますのでご了承ください。
まとめ
地方税においては、納付と納入という用語は実際には、次の通り使い分けをする必要があります。
納付:納税者自身が税金を申告して納める
納入:特別徴収義務者自身が税金を申告して納める
そのため、個人住民税の特別徴収に関して税金を納める場合には「納入」を用いますので、個人住民税特別徴収に関するホームページや書類をご覧になる時は
ご確認ください。
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