江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

経理部長になるには:その11「専門家の活用方針を決めましょう」

経理部長になるには:その11「専門家の活用方針を決めましょう」

ある程度の規模以上の会社になると、バックオフィス内でもやるべき事が多くなります。

会社が成長してくると、一つ一つの業務のボリュームが増えたり、今まではなかった管理業務が増えたりします。

そして、そのような中では、会社の収益獲得に貢献できる部署への人員補充の優先順位が高くなるので、経理や総務部門への補充はどうしても遅れる場合があります。

もちろん、バックオフィスとして会社を支えてくれる総務経理部門は必要な部署ですが、限られた人員体制の中で業務をやりくりしなければなりません。

自分達で出来る事と出来ない事を明確に区分する

 

ところで、経理総務部門といっても、自社内の人員だけでできる事と出来ない事があります。

日々の入出金の管理といった、事業資金の管理業務で言えば、自社内で対応するケースが多いですが、監査業務や企業法務、そして、税金の申告などはどうでしょうか。

自社内にスペシャリストがいて、内製化出来ているのであれば良いですが、採用するにはハードルが高くなります。

公認会計士や弁護士、税理士等といった専門家の業務のうち、内製化出来ないものはどうしても出てきてしまいます。

しかし、内製化出来ないのに、無理して担当者を決めて業務に織りこんだら、その担当者の精神的な負担は相当なものになりますし、ミスに繋がる可能性もあります。

そのため、自部門はもとより会社全体の方針としては、自分達で出来ることと出来ない事の線引きを明確にする必要があります。

経理部門に関わる専門家

経理部門は、数字に関わる事がメインだとしても、色々な専門家が関わってきます。

日々の税金や確定申告に関わる事でいえば税理士。

会計監査が必要な会社であれば、公認会計士。

イメージだけでも、この2つの専門家がいます。

そして、総務と経理が一緒になっているのであれば、

企業法務に関わる弁護士。

登記業務に携わる司法書士。

所定の書類作成にかかわる行政書士。

他にも、その求める専門性によって、専門家がいます。

これらの中で、内製化出来るものと内製化出来ないものを明確に区分して、専門家に依頼すべき業務を分かり易くしておくことがポイントです。

専門家への報酬コストは高いというのは本当でしょうか

専門家に依頼する際に気になる事の一つが、

「どれくらいの報酬が必要なのか」

というものがあります。

依頼したいけれど、出来る限り高い金額は払いたくないというのは、ごく自然の考えです。

しかし、例えば、税理士に1時間の相談報酬を支払うとした場合に、1時間の報酬が20,000円だとしたらどういう事が考えられるでしょうか。

経理部門の担当者に同じ内容の相談をするとした場合に、その担当者がどれくらいの時間をかければ、その相談に応えられるのかを考えると、税法上の条文を一定範囲解読して、体系的に組み合わせて考えて、自社にとって最適解を導きだすための時間を確保しなければなりません。

ここで大切なのが、難易度やボリュームですが、担当者が数時間では対応できず、2~3日かけてその答えを導き出したとしたらどうでしょうか。

その担当者が、2~3日かけている間、本来やるべき業務を中断するか、本来やるべき業務を残業して対応するとした場合、専門家でない担当者の負担は大きいものになります。

しかも、その担当者の人件費を考えるとどうでしょうか。

専門家に2万円を支払えば解消したところ、内製化して、それがノウハウとして蓄積されたとしても、その担当者が対応した事による人件費は2万円以内に収まるでしょうか。

専門家は、1時間で最適解を導き出す事が出来るのは、その専門家としての知識や経験・実績といったバックグランドがあるからこそ可能なのです。

1時間で2万円に設定しているとしたら、その2万円分を支払っても、十分に採算が取れるからです。

そして、この報酬が、案件によっては、1時間あたり数十万円に及ぶ事もあります。

難易度や特殊性、リスク等を勘案すれば、そのような報酬額になる事さえあります。

最終的には、会社の方針になりますが、その金額を高いと考えるのか、許容範囲内と考えるのかによって、専門家との関わりも違ってきます。

また、専門家には、「顧問」として定期的に関わってもらうのか、「スポット」として、臨時的に関わってもらうのかによって、報酬体系や料金体系も異なります。

会社の成長スピードを加速させるために、効果的な専門家活用をしましょう

専門家に依頼する場合の会社側の判断・作業にかかるメリットは多いです。

その依頼をする事により、社内の意思決定のスピードを正確に、そして、迅速に進める事が出来ます。

そして、意思決定の内容によっては、事業の成長スピードが加速します。

今の時代は、現状維持では会社の存続が難しい時代になっています。

スピード感を持って、会社が提供する商品やサービスが少しでも早く市場に受け入れられるようにしなければなりません。

もし、許認可業務に関し、専門家に依頼していたら、来月には新事業をスタート出来ていたところ、自社内で対応していたら、なかなか許認可が下りず、半年後でないとスタートできないとしたらどうでしょうか。

会社の成長には、専門家のサポートが必要な場面がありますので、そのサポートが必要な場面をきちんと把握する事が大切です。

まとめ

このように、会社の事業運営上、専門家による判断や手続きが必要な場面はいくつも登場します。

もちろん、専門家に依頼するのであれば、報酬が発生し、会社にとっての金銭的負担等が発生します。

しかし、内製化してしまうと、精神的・時間的な負担やリスクを社内で負う部分が出てきてしまいます。

そして、正確かつ迅速な対応が会社の成長スピードを高めてくれます。

そのため、専門家を有効に活用して、会社の成長スピードを加速させるようにしましょう。

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