江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

経理・総務担当者の方むけ:75歳の誕生日をむかえる従業員の方は、医療保険が後期高齢者医療制度に切り替わるので、給与計算等で注意が必要です。

経理・総務担当者の方むけ:75歳の誕生日をむかえる従業員の方は、医療保険が後期高齢者医療制度に切り替わるので、給与計算等で注意が必要です。

はじめに

給与計算をする場合やその他の社内手続きをする場合に、従業員の方の年齢によって取り扱われる保険制度が異なります。

その中のうち

後期高齢者医療保険

というものがあります。

そこで、今回は、東京都での後期高齢者医療保険制度についてご紹介します。

後期高齢者医療制度

1.対象者

次に該当し、申請をして認定を受けた方については、勤務しているかどうかにかかわらず、

それまで加入していた医療保険(国保・健康保険・共済等)から、

自動的に後期高齢者医療制度へ加入することになります。

(1)75歳以上の方(後期高齢者)

(2)65歳以上75歳未満で一定の障害がある方

なお、その他にも、次の方も対象となります。

・75歳以上の方が東京都外から転入してきたとき

・生活保護の廃止等により、適用除外要件に該当しなくなったとき

・東京都外の住所地特例対象施設に入所している東京都内の国民健康保険被保険者が、

 75歳になったときまたは一定の障害があると認定されたとき

2.制度概要

保険料率や給付などについては、原則として東京都内では均一です。

そして、運営機関は、東京都後期高齢者医療広域連合であり、

被保険者の方1人に1枚、保険証を交付します。

75歳の誕生日を迎えるにあたって

1.新たに75歳になる方は、その誕生日から、医療保険が後期高齢者医療制度に切り替わります

誕生月の前月下旬までに、新しい保険証(後期高齢者医療被保険者証)を簡易書留で送付されるので、

75歳の誕生日以降に医療機関で診療を受ける場合、新しい保険証を提示します。

2.後期高齢者医療制度へ加入した場合はそれまでの保険を脱退することになります

誕生月の翌月になると保険料のお知らせがお手元に届くので、

今後は後期高齢者医療制度の保険料のみを支払うことになります。

なお、国民健康保険で口座振替を利用されていた場合には、口座は引き継がれないので、

後期高齢者医療で口座振替を希望される方は、改めて申し込みが必要です。

3.後期高齢者医療保険へ切替に伴い、所定の月から給与計算での健康保険料徴収が不要となります

例えば、協会けんぽの健康保険に加入していた従業員であれば後期高齢者医療保険の加入に伴い、

協会けんぽの健康保険の資格が喪失することになります。

そして、後期高齢者医療保険は、会社が徴収・納付をするものではなく、従業員本人が納付をするので、

後期高齢者医療保険加入に伴い、給与計算では、健康保険料の徴収が不要となります。

(もちろん、後期高齢者医療保険の徴収も不要です)

この際に注意しておきたいのが、徴収不要とする月がいつからになるのかということです。

これは、会社の給与計算において、保険料等の徴収時期基準に基づくので、適切なタイミングで徴収不要の計算とするようにご確認ください。

高齢者医療保険料の納付について

1.国民健康保険とは異なり、被保険者の方1人ひとりが納めます。

2.納付方法

(1)原則として公的年金からの天引き(徴収)となります。

(2)公的年金からの天引き以外の方は、普通徴収として送付されてくる納付書や口座振替で納めます。

社会保険加入事業所での必要な手続き

在職中に従業員が後期高齢者医療制度の被保険者となった場合は、

後期高齢者医療制度の被保険者(①の場合は75歳の誕生日から、②の場合は認定日から加入)となります。

そして、健康保険の被保険者でなくなるため、「健康保険被保険者資格喪失届」の提出が必要となります。

健康保険の被保険者である人が次の①又は②に該当する事となった場合には、

①75歳になったとき

②65~74歳で一定の障害の状態にあることにつき後期高齢者医療広域連合の認定を受けた場合

後期高齢者医療制度の保険料控除について

所得税確定申告等において、社会保険料として控除されます。

その他

上述の内容は、東京都の場合の後期高齢者医療保険制度の概要ですので、

個別の事例ごとに詳細の確認が必要となる場合があります。

まとめ

75歳の誕生日をむかえる従業員の方は、医療保険が後期高齢者医療制度に切り替わります。

そのため、社会保険加入事業所の場合には所定の手続きを行い、

そして、給与計算においては、健康保険料の徴収が不要となりますが、

いつの月から徴収不要とするのかを誤りのないように確認しましょう。

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