目次
はじめに
中小企業向け制度融資にはいくつかあり、行政・自治体等が行うものがありますが、
東京都の制度融資というものもあります。
制度融資を利用する事業者は多いので、今回は、東京都が行う制度融資についてご紹介します。
東京都中小企業制度融資
意義
東京都・東京信用保証協会・金融機関の3者が連携・協調して、
中小企業に対して事業資金を円滑に供給できるようにする融資制度です。
融資種類の概要
1.創業・事業拡大・経営の安定化等のニーズに応じた融資
2.融資と合わせて信用保証料の補助や経営支援を受けられる融資
融資対象となる事業者
原則として次のすべての要件を満たす事業者が対象です。
1.東京都内に事業所があり、信用保証協会の補償対象業種を営む中小企業者または組合。
2.許認可等が必要な業種にあっては、その許認可等を受けているまたは受けること。
3.事業税等の未申告や滞納、社会保険料の滞納がないこと。
4.現在かつ将来にわたって、暴力団員等に該当しないこと、
5.暴力団員等が経営を支配していると認められる関係等を有しないこと及び暴力的な要求行為等を行わないこと。
※融資内容に応じてその他に必要な要件等があります。
東京都制度融資の流れ
事業者:取扱指定金融機関窓口に融資申し込み。
↓
事業者:取扱指定金融機関を通じて、東京都信用保証協会へ保証申し込み。
↓
東京都信用保証協会:保証審査を実施。
↓
東京都信用保証協会:保証の諾否を決定。
東京信用保証協会が保証を承諾した場合
↓
取扱金融機関:融資を実行。
東京都の各種サポート
1.信用保証料の補助
融資内容に応じて信用保証料の一部を補助することにより、事業者の借入の際の負担を軽減します。
2.預託
融資の貸付原資を金融機関に委託します。
そして、利用者の金利負担の軽減や資金調達の円滑化を図ります。
知っておきたい責任共有制度
従来は保証協会が原則として信用リスクの全てを負担していました。
しかし、平成19年10月1日からは保証協会と金融機関が責任を共有することになりました。
これが、責任共有制度といわれるものです。
そして、一定の保証制度を除き、金融機関が信用リスクの20%相当額を負担することになりました。
保証人
法人や個人等の場合で保証人の取り扱いが異なります。
1.法人の場合
必要となる場合がありますが、代表者以外の連帯保証人は原則として不要です。
2.個人の場合
連帯保証人は原則として不要です。
3.組合の場合
原則として代表理事のみを連帯保証人とします。
なお、個々の組合の事情に応じて、他の理事を連帯保証人とすることができます。
法人代表者の保証を不要とすることができる場合
利用者が、次のいずれかに該当し、保証協会が認める場合には、法人代表者の保証人を不要にできます。
1.申込金融機関がそのプロパー融資について法人代表者の保証を不要とし担保による保全が図られていない場合で、
法人と代表者の分離、債務超過でもなく2期連続赤字でもない等の要件を充足している場合
2.法人または代表者本人等が所有する不動産について担保提供があり十分な保全が図られる場合
担保
1.既往の保証付融資残高と新規の保証付き融資額の合計が8000万円以下の場合
原則として無担保です。
2.既往の保証付融資残高と新規の保証付き融資額の合計が8000万円超の場合
物的担保が必要です。
その他
上述は概要での掲載のため、実際には、融資内容や事業者の状況、取扱金融機関等によっては、
融資対象となる事業者や保証人や担保の取り扱いが別途定められている場合があるので、
詳細は東京都や取扱金融機関・信用保証協会に確認しましょう。
まとめ
東京都では制度融資を実施しており、融資内容に応じて、預託による金利負担の軽減や信用保証料補助等のサポートを実施しています。
この制度融資を利用する場合には、要件や手続き、融資実行までの期間等を確認し、取扱金融機関等と連携の上手続きをしましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事業資金の確保は、安定した経営と、事業の成長・発展のために不可欠です。
こちらの拙著「賢い事業資金の集め方・使い方・貯め方」では、事業資金の管理や税金に関する内容を分かりやすく執筆していますので、
是非ご覧下さい。
↓