江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

経営者経理担当者の方むけ:資金管理上、「現金」を取り扱う必要はあるのか。

経営者経理担当者の方むけ:資金管理上、「現金」を取り扱う必要はあるのか。

はじめに

起業・開業する上で必要となるものの1つに

事業資金

があります。

この事業資金を元手にして

物的投資

人的投資

を行ったり、

日々の経費の支払い等をします。

あわせて、売上代金を回収し、事業の成長発展を続けていくことになります。

事業資金を管理する上での現金の必要性

事業資金は、会社の事業活動を継続する上では欠かすことができません。

この事業資金として実際に日々増減するものが、一般的には

現金

預金

になります。

また、多くの会社では預金については普通預金をメインの預金口座として取り扱います。

ところで、現金と預金の取り扱いでは大きな違いがあります。

預金については、

通帳や入出金明細データで日々の入出金を確認することができますが、

現金については、

通帳や入出金明細データというものはなく、入出金の管理をする場合には何らかの方法で入出金明細を作成する必要があります。

そのため、現金の場合には、日々の

現金入金額

現金出金額

を何らかの方法で手を加えて集計・管理し、実際の残高と集計上の残高を突合し、差異が生じていないかを確認しなければなりません。

今では、会計システムの発達により、領収書やレシート等をスキャンすることによって集計がしやすくなってきていますが、

それでも、現金よりは預金の方が手間がかからず、管理しやすいです。

預金のみで事業資金を管理する

ところで、会社の経理をするにあたって、現金管理は必ずしも必要なのでしょうか。

もちろん、日々の入出金で現金を取り扱うことがある場合には、この部分については経理上も現金で処理しなければなりませんが、

そもそも現金を取り扱わない事業をしている場合はどうでしょうか。

預金口座内でのみ入出金を完結するのであれば、わざわざ現金を持つこともなく、また、管理する必要もありません。

そうすれば、手元資金については預金口座の残高で確認をすることもできますし、預金口座内で入手金をすれば、

その記録が入出金明細にも表示されます。

この場合には、売上代金や経費設備等の支払いを全て預金口座を通すことになりますが、この方法が実践できるのであれば

経理処理の負担は軽減されます。

法律上、会社は経理処理上、現金を絶対取り扱わなければならないということにはなっていません。

もちろん、現金を取り扱った場合には、経理処理で適切に反映させなければなりませんが、

現金を最初から取り扱うことがなければ、経理処理がその分シンプルになります。

もちろん、業態によっては現金商売が中心となる場合もありますが、自社の業態で本当に現金を取り扱う必要があるのか、

そして、今現金で取り扱っている取引は預金取引に移行することができるのかを検討すると、

経理業務の効率化と正確性の担保につながることがあります。

まとめ

会社の経理処理上、現金を取り扱わず、預金口座のみで入出金を完結させることができれば、

入出金の記録は預金口座内で確認することができ、現金管理が不要となり、

経理業務が効率化され負担も軽減する部分が多くなります。

自社の業態で本当に現金を取り扱う必要があるのか、

そして、今現金で取り扱っている取引は預金取引に移行することができるのかを検討してみてはいかがでしょうか。

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