
目次
はじめに
地方銀行の中には、「百五銀行」や「百十四銀行」など、漢数字を含む名称の金融機関が存在します。
普段何気なく目にしているこれらの名称ですが、
- なぜ数字がついているのか
- なぜ漢数字なのか
- 何かルールがあるのか
と疑問に思われたことがある方も多いのではないでしょうか。
本記事では、この「地方銀行の名称」に着目し、その背景にある日本の金融制度の歴史を分かりやすく解説します。あわせて、経営者・経理担当者の方にとっての実務的な視点も整理していきます。

地方銀行に見られる「漢数字の名前」とは
地方銀行の中には、以下のように漢数字を含む名称が見られます。
- 百五銀行
- 百十四銀行
- 第四北越銀行
これらは個別の金融機関の独自ルールで付けられた名称ではなく、日本の金融制度の歴史に由来するものです。
漢数字の由来は「明治時代の銀行制度」
この特徴を理解するためには、明治時代の制度にさかのぼる必要があります。
■ 国立銀行制度とは
明治政府は、近代的な金融制度を整備するために「国立銀行制度」を導入しました。これは、当時のアメリカの制度を参考にしたもので、銀行設立にあたり番号が付与される仕組みでした。
例えば、
- 第一国立銀行
- 第二国立銀行
といった形で、銀行ごとに番号が割り振られていました。
■ 数字は「設立順」を意味していた
当時の銀行名に含まれる数字は、単なる飾りではなく、
「設立(免許)された順番」
を意味していました。
つまり、
- 第一 → 最初に設立された銀行
- 第二 → 次に設立された銀行
という非常にシンプルなルールです。
なぜ現在もその名前が残っているのか
では、なぜ現在でもその名残が残っているのでしょうか。
理由はシンプルです。
■ 制度は変わっても銀行は残った
国立銀行制度はその後廃止されましたが、銀行そのものは消滅したわけではありません。
多くの銀行は
- 普通銀行へ転換
- 地域密着型の金融機関として存続
という形で現在の地方銀行へと変化していきました。
その過程で、
名称だけがそのまま引き継がれた
というケースが多く存在します。
■ 合併による名称の継承
近年では金融機関の再編が進んでおり、合併によって名称が変わるケースもあります。
例えば、
- 第四銀行
- 北越銀行
が合併して
- 第四北越銀行
となるなど、数字を含む名称が新たな形で引き継がれています。
「漢数字が多い=地方銀行」ではない点に注意
ここで重要なのは、
「すべての地方銀行が漢数字を使っているわけではない」
という点です。
例えば、
- きらぼし銀行
のように、数字を含まない名称の金融機関も多く存在します。
つまり、
- 漢数字の銀行名は「歴史的な名残の一例」
- ルールとして統一されているわけではない
という理解が正確です。

経営者が知っておきたい実務的な意味
一見すると雑学のように思えるテーマですが、実は経営者にとっても一定の意味があります。
■ 金融機関の成り立ちを理解する重要性
金融機関は単なる資金の貸し手ではなく、
- 地域経済の中核
- 長年の取引関係を重視する存在
です。
そのため、
- どのような歴史を持つ金融機関なのか
- 地域との関係性はどうか
を理解することは、資金調達や取引関係の構築において無視できません。
■ 「歴史=信用」の側面
特に地方銀行においては、
- 長い歴史
- 地域との結びつき
が信用の基盤となっています。
名称に残る数字も、その一端を示す要素といえます。
■ 金融機関選びの視点の一つになる
もちろん、銀行名だけで判断することはありませんが、
- 歴史
- 地域性
- 経営方針
といった背景を理解することで、
より適切な金融機関との関係構築
につながります。

まとめ
地方銀行の名称に見られる漢数字は、単なる偶然ではなく、明治時代の国立銀行制度に由来する歴史的な名残です。
現在では制度自体は存在しないものの、
- 銀行は存続し
- 名称は引き継がれ
今日の地方銀行の姿につながっています。
一見すると小さな疑問ですが、その背景には日本の金融制度の成り立ちがあり、経営者にとっても金融機関との関係を理解する一助となる内容です。
日々の経営判断の中で金融機関と向き合う際、こうした背景知識が少しでも参考になれば幸いです。
明治時代の国立銀行制度において、銀行に設立順の番号が付けられていたことが由来です。
現在は制度上の意味はなく、歴史的な名称として引き継がれているものです。
いいえ。数字を含まない名称の地方銀行も多く存在します。
順位や規模とは関係ありません。設立当時の順番を示していたものです。




