江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

5年分年末調整・確定申告をする給与所得者の方むけ④:国外に住んでいる親族を扶養控除の対象とできるのか。

5年分年末調整・確定申告をする給与所得者の方むけ④:国外に住んでいる親族を扶養控除の対象とできるのか。

はじめに

親族が日本だけに住んでいるとは限りません。

親族が国外に居住し、納税者本人は日本国内で居住していることもあります。

このような場合、年末調整や所得税の確定申告で

その国外に居住する親族を納税者本人の扶養控除することができるのでしょうか。

非居住者親族の扶養控除

こちらののブログで、扶養親族及び控除対象扶養親族について記載しましたが、

納税者本人に控除対象扶養親族がいて、一定要件に該当する場合に扶養控除の適用が受けられます。

5年分年末調整・確定申告で扶養控除の適用を受ける方むけ①:扶養親族に該当する人について。

5年分年末調整・確定申告で扶養控除の適用を受ける方むけ②:扶養親族がいれば、必ず扶養控除を受けられるわけではありません

そして、現行法令では令和5年分以後の所得税においては、非居住者である扶養親族の取り扱いにつき、

国税庁のQ&Aで、次のとおり記載しています。

日本国外に住む親族を扶養控除の対象とする場合

Q4

日本国外に住む親族に係る扶養控除の適用を受ける場合は、何らかの書類の提出が必要なのでしょうか。

A4

平成28年分から所得税の確定申告において、非居住者である親族(以下「国外居住親族」といいます。)に係る

扶養控除、配偶者控除、障害者控除又は配偶者特別控除(以下「扶養控除等」といいます。)の適用を受ける場合は、

次の《令和5年分以後の確定申告》又は《令和4年分以前の確定申告》の区分に応じ、

それぞれに掲げる書類を確定申告書に添付し、または確定申告書の提出の際に提示しなければなりません。

《令和5年分以後の確定申告》

(1) 扶養控除に係る書類

イ 16歳以上30歳未満または70歳以上の国外居住親族

「親族関係書類」および「送金関係書類」

ロ 30歳以上70歳未満の国外居住親族

(イ) 留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者

「親族関係書類」、「送金関係書類」及び「留学ビザ等書類」

(ロ) 障害者

「親族関係書類」及び「送金関係書類」

(ハ)  納税者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者

「親族関係書類」及び「38万円送金書類」

(注) 上記(イ)から(ハ)のいずれにも該当しない30歳以上70歳未満の国外居住親族については、扶養控除の適用はありません。

(2) 配偶者控除、障害者控除又は配偶者特別控除に係る書類

「親族関係書類」及び「送金関係書類」

《令和4年分以前の確定申告》

「親族関係書類」及び「送金関係書類」

給与等または公的年金等の源泉徴収及び給与等の年末調整において、

国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける居住者は、その国外居住親族に係る「親族関係書類」や

「送金関係書類」、「留学ビザ等書類」、「38万円送金書類」を源泉徴収義務者に提出し、

または提示する必要があります。

詳しくは、「国外居住親族に係る扶養控除等の適用について」及び

「令和5年1月以後に非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける方へ」をご参照ください。

(注) 「親族関係書類」とは、次の(1)または(2)の

いずれかの書類(外国語で作成されている場合にはその翻訳文も必要です。)で、

その国外居住親族がその納税者の親族であることを証するものをいいます。

(1) 戸籍の附票の写しその他の国または地方公共団体が発行した書類およびその国外居住親族の旅券の写し

(2) 外国政府または外国の地方公共団体が発行した書類

(その国外居住親族の氏名、生年月日および住所または居所の記載があるものに限ります。)

(注) 「送金関係書類」とは、その年における次のイないしハの書類

(外国語で作成されている場合にはその翻訳文も必要です。)で、

その国外居住親族の生活費または教育費に充てるための支払いを、

必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます。

イ 金融機関の書類またはその写しで、その金融機関が行う為替取引により

その納税者からその国外居住親族に支払いをしたことを明らかにする書類

ロ いわゆるクレジットカード発行会社の書類またはその写しで、

そのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等

およびその商品等の購入等の代金に相当する額をその納税者から受領したことを明らかにする書類

ハ 電子決済手段等取引業者の書類又はその写しで、その電子決済手段等取引業者がその納税者の依頼に基づいて行う

電子決済手段の移転によってその納税者からその国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類

(この書類は、令和6年分以後の所得税の確定申告書を提出する場合に「送金関係書類」となるものです。)

(注) 「留学ビザ等書類」とは、外国政府又は外国の地方公共団体が発行した

次のイ又はロの書類(日本語での翻訳文も必要です。)で、

その国外居住親族が外国における留学の在留資格に相当する資格をもって

その外国に在留することにより国内に住所及び居所を有しなくなった旨を証するものをいいます。

イ 外国における査証(ビザ)に類する書類の写し

ロ 外国における在留カードに相当する書類の写し

(注) 「38 万円送金書類」とは、「送金関係書類」のうち、

あなたから国外居住親族各人へのその年における支払の金額の合計額が

38 万円以上であることを明らかにする書類をいいます。

そして、「令和 5 年1月以後に非 居 住 者 で あ る 親 族 に つ い て 扶 養 控 除 等 の 適 用 を 受 け る 方 へ」では、

非居住者である親族の年齢等の区分に応じて、扶養控除等申告書の提出時と年末調整時に必要な書類な書類を掲載し、

また、確定申告の際に添付又は提示等が必要な書類等の掲載をしていますので、

個別の事例に応じた確認の際には、詳細をご確認下さい。

その他

上述の内容は概要でのご紹介となっているため、実際には、個別の事例に応じて、ご自身にて確認・判断をしていただく必要があるため、

不明点等は税理士等の専門家や所轄税務署に確認しましょう。

まとめ

令和 5 年1月以後に非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける場合には、

所定の要件に該当し、かつ、一定書類の提出または提示等が必要となるので、

詳細は国税庁ホームページでご確認ください。

 

前回ブログ

5年分年末調整・確定申告で扶養控除の適用を受ける方むけ③:地方に住む親と同居しないで扶養している場合に扶養控除の適用が受けられるのか

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