前回のブログで、会社の成長・発展を法律面からサポートするものとして産業競争力強化法があり、会社の成長・発展を考えるのであれば、この法律を理解する事が必要だとご案内しましたが、自分自身の確認の意味で、この法律の条文を見ていこうと思います。
なお、産業競争力強化法は、一部内容が改正等されているものがありますので、このブログをご覧の皆様は、必ず最新の条文でご確認下さい。
※こちらで紹介するものは、令和2年6月19日最終改正のものです。
第1条 目的
この法律は、我が国経済を再興すべく、我が国の産業を中長期にわたる低迷の状態から脱却させ、持続的発展の軌道に乗せるためには、経済社会情勢の変化に対応して、産業競争力を強化することが重要であることに鑑み、産業競争力の強化に関し、基本理念、国及び事業者の責務を定めるとともに、規制の特例措置の整備等及びこれを通じた規制改革を推進し、併せて、産業活動における新陳代謝の活性化を促進するための措置、株式会社産業革新投資機構に特定事業活動の支援等に関する業務を行わせるための措置及び中小企業の活力の再生を円滑化するための措置を講じ、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
産業競争力強化法は、
日本経済を再興させ、持続的発展の軌道に乗せるために、産業競争力を強化し、そして、生活の向上及び経済の健全な発展に寄与するため
に制定されたというのがイメージ概要になります。
第2条 定義
この法律において「産業競争力」とは、産業活動において、高い生産性及び十分な需要を確保することにより、高い収益性を実現する能力をいう。
2 この法律において「規制の特例措置」とは、法律により規定された規制についての別に法律で定める法律の特例に関する措置及び政令又は主務省令(以下この項において「政令等」という。)により規定された規制についての政令等で規定する政令等の特例に関する措置であって、第10条第2項に規定する認定新事業活動計画に従って実施する新事業活動について適用されるものをいう。
3 この法律において「新事業活動」とは、新商品の開発又は生産、新たな役務の開発又は提供、商品の新たな生産又は販売の方式の導入、役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動であって、産業競争力の強化に資するものとして主務省令で定めるものをいう。
4 この法律において「産業活動における新陳代謝」とは、産業活動において、新たな事業の開拓、事業再編による新たな事業の開始又は収益性の低い事業からの撤退、事業再生、設備投資その他の生産性の向上又は需要の拡大のための事業活動が行われることをいう。
5 この法律において「新事業開拓事業者」とは、新商品の開発又は生産、新たな役務の開発又は提供、商品の新たな生産又は販売の方式の導入、役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動を行うことにより、新たな事業の開拓を行う事業者(新たに設立される法人を含む。第8項において同じ。)であって、その事業の将来における成長発展を図るために外部からの投資を受けることが特に必要なものその他の経済産業省令で定めるものをいう。
6 この法律において「特定新事業開拓投資事業」とは、投資事業有限責任組合(投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成10年法律第90号)第2条第2項に規定する投資事業有限責任組合をいう。以下同じ。)が行う新事業開拓事業者に対する投資事業(主として事業規模の拡大を図る新事業開拓事業者に対するものであることその他の経済産業省令で定める要件に該当するものに限る。)であって、当該新事業開拓事業者に対する積極的な経営又は技術の指導を伴うことが確実であると見込まれるものとして経済産業省令で定めるものをいう。
7 この法律において「特定研究成果活用支援事業」とは、国立大学法人等(国立大学法人法(平成15年法律第112号)第2条第5項に規定する国立大学法人等をいう。第21条において同じ。)における技術に関する研究成果を、その事業活動において活用する者に対し、当該事業活動に関する必要な助言、資金供給その他の支援を行う事業であって、当該国立大学法人等における研究の進展に資するものをいう。
8 この法律において「関係事業者」とは、事業者であって、他の事業者がその経営を実質的に支配していると認められるものとして主務省令で定める関係を有するものをいう。
9 この法律において「外国関係法人」とは、外国法人(新たに設立されるものを含む。)であって、国内に本店又は主たる事務所を有する事業者がその経営を実質的に支配していると認められるものとして主務省令で定める関係を有するものをいう。
10 この法律において「経営資源」とは、知識及び技能並びに技術、設備、情報システムその他の事業活動に活用される資源をいう。
11 この法律において「事業再編」とは、事業者がその事業の全部又は一部の生産性を相当程度向上させることを目指した事業活動であって、次の各号のいずれにも該当するものをいう。
一 次に掲げる措置のいずれかによる事業の全部又は一部の構造の変更(当該事業者の関係事業者及び外国関係法人が行う事業の構造の変更を含む。)を行うものであること。
イ 合併
ロ 会社の分割
ハ 株式交換
ニ 株式移転
ホ 株式交付
ヘ 事業又は資産の譲受け又は譲渡(外国におけるこれらに相当するものを含む。)
ト 出資の受入れ
チ 他の会社の株式又は持分の取得(当該他の会社が関係事業者である場合又は当該取得により当該他の会社が関係事業者となる場合に限る。)
リ 関係事業者の株式又は持分の譲渡(当該株式又は持分を配当財産とする剰余金の配当をすることを含み、当該譲渡により当該事業者の関係事業者でなくなる場合に限る。)
ヌ 外国法人の株式若しくは持分又はこれらに類似するものの取得(当該外国法人が外国関係法人である場合又は当該取得により当該外国法人が外国関係法人となる場合に限る。)
ル 外国関係法人の株式若しくは持分又はこれらに類似するものの譲渡(当該株式若しくは持分又はこれらに類似するものを配当財産とする剰余金の配当をすることを含み、当該譲渡により当該事業者の外国関係法人でなくなる場合に限る。)
ヲ 会社又は外国法人の設立又は清算
ワ 有限責任事業組合(有限責任事業組合契約に関する法律(平成17年法律第40号)第2条に規定する有限責任事業組合をいう。第21項において同じ。)に対する出資
カ 保有する施設の相当程度の撤去又は設備の相当程度の廃棄二 事業者がその経営資源を活用して行う事業の全部又は一部の分野又は方式の変更であって、次に掲げるもののいずれかを行うものであること。
イ 新商品の開発及び生産又は新たな役務の開発及び提供により、生産若しくは販売に係る商品の構成又は提供に係る役務の構成を相当程度変化させること。
ロ 商品の新たな生産の方式の導入又は設備の能率の向上により、商品の生産を著しく効率化すること。
ハ 商品の新たな販売の方式の導入又は役務の新たな提供の方式の導入により、商品の販売又は役務の提供を著しく効率化すること。
ニ 新たな原材料、部品若しくは半製品の使用又は原材料、部品若しくは半製品の新たな購入の方式の導入により、商品の生産に係る費用を相当程度低減すること。12 この法律において「特別事業再編」とは、事業再編のうち、事業者が、当該事業者と他の会社又は外国法人の経営資源を有効に組み合わせて一体的に活用して、その事業の全部又は一部の生産性を著しく向上させることを目指したものであって、次の各号のいずれにも該当するものをいう。
一 次に掲げる措置のいずれかによる事業の全部又は一部の構造の変更を行うもの(当該事業者(株式会社に限る。)がその株式のみを対価として他の会社又は外国法人の株式若しくは持分又はこれらに類似するものを取得する場合であって、当該対価の額が当該事業者の有する現金及び預金の額からその事業の継続のために当面必要な運転資金の額を控除した額を基礎として経済産業省令で定めるところにより算出される額を上回るときに限る。)であること。
イ 株式交付
ロ 他の会社の株式又は持分の取得(当該取得により当該他の会社が関係事業者となる場合に限る。)
ハ 外国法人の株式若しくは持分又はこれらに類似するものの取得(当該取得により当該外国法人が外国関係法人となる場合に限る。)二 新事業活動であって、次に掲げる事業活動のいずれかを行うことにより、当該事業活動に係る商品又は役務の新たな需要を相当程度開拓するものであること。
イ 前号イからハまでに掲げる措置により関係事業者となる他の会社又は外国関係法人となる外国法人(ロ及びハにおいて「関係事業者等」という。)の革新的な技術又は事業の実施の方式(商品の生産若しくは販売の方式又は役務の提供の方式をいう。)を活用して行う事業活動であって、第22条第2項第5号に規定する事業分野におけるもの
ロ 関係事業者等の経営資源を活用して行う事業活動であって、第22条第2項第6号に規定する商品又は役務に係るもの
ハ 関係事業者等の経営資源を活用して行う事業活動であって、前号イからハまでに掲げる措置により中核的事業(当該事業者が行う他の事業に比して現に生産性が高い事業又は将来において高い生産性が見込まれる事業をいう。)の売上高その他の経済産業省令で定める指標(以下このハにおいて「売上高等」という。)の当該事業者が行う全ての事業の売上高等の総額に対する割合が相当程度増加すると見込まれる場合における当該中核的事業に係るもの13 この法律において「生産性向上設備等」とは、商品の生産若しくは販売又は役務の提供の用に供する施設、設備、機器、装置又はプログラム(情報処理の促進に関する法律(昭和45年法律第90号)第2条第2項に規定するプログラムをいう。)であって、事業の生産性の向上に特に資するものとして経済産業省令で定めるものをいう。
14 この法律において「事業再生」とは、過大な債務を負っている事業者が、その全部又は一部の債権者の協力を得ながらその事業の再生を図ること(再生手続、更生手続その他政令で定める法律に定める手続によりその事業の再生を図ることを除く。)をいう。
15 この法律において「特定認証紛争解決事業者」とは、認証紛争解決事業者(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(平成16年法律第151号)第2条第4号に規定する者をいう。第49条において同じ。)であって、同条第1項の認定を受けたものをいう。
16 この法律において「特定認証紛争解決手続」とは、認証紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律第2条第3号に規定する手続をいう。第49条第1項第2号において同じ。)であって、特定認証紛争解決事業者が事業再生に係る紛争について行うものをいう。
17 この法律において「中小企業者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
一 資本金の額又は出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であって、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第4号までに掲げる業種及び第5号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
二 資本金の額又は出資の総額が一億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人であって、卸売業(第5号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
三 資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人であって、サービス業(第5号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
四 資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が五十人以下の会社及び個人であって、小売業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
五 資本金の額又は出資の総額がその業種ごとに政令で定める金額以下の会社並びに常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社及び個人であって、その政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの
六 企業組合
七 協業組合
八 事業協同組合、協同組合連合会その他の特別の法律により設立された組合及びその連合会であって、政令で定めるもの
18 この法律において「技術等情報漏えい防止措置」とは、技術及びこれに関する研究開発の成果、生産方法その他の事業活動に有用な情報の漏えいの防止のために事業者が実施する措置をいう。
19 この法律において「技術等情報漏えい防止措置認証業務」とは、次に掲げる業務をいう。
一 他の事業者が実施する技術等情報漏えい防止措置が、技術及びこれに関する研究開発の成果、生産方法その他の事業活動に有用な情報の漏えいを防止するために必要なものとして主務大臣が定める基準に適合している旨の認証を行うこと。
二 前号に掲げる業務に附帯して、技術等情報漏えい防止措置を適切に実施するために必要な指導及び助言を行うこと。
20 この法律において「特定事業活動」とは、自らの経営資源以外の経営資源を活用し、高い生産性が見込まれる事業を行うこと又は新たな事業の開拓を行うことを目指した事業活動をいう。21 この法律において「特定投資事業者」とは、民法(明治29年法律第89号)第667条第1項に規定する組合契約によって成立する組合、商法(明治32年法律第48号)第535条に規定する匿名組合契約によって成立する匿名組合、投資事業有限責任組合若しくは有限責任事業組合若しくは外国に所在するこれらの組合に類似する団体又は株式会社、合同会社、資産の流動化に関する法律(平成10年法律第105号)第2条第3項に規定する特定目的会社若しくは投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号)第2条第12項に規定する投資法人であって、特定事業活動に対する資金供給その他の支援又は特定事業活動に対する資金供給その他の支援を行う事業活動に対する資金供給その他の支援を行うものをいう。
22 この法律において「特定政府出資会社」とは、政府がその発行している株式の総数の2分の1以上に当たる数の株式を保有する株式会社であって、出資を行うことを主たる業務とするもののうち、株式会社産業革新投資機構がその業務の遂行に支障のない範囲内で、その株式を保有する株式会社の業務の支援を行うことにより、当該株式会社が行う出資に係る業務のより効果的な実施を図ることが必要なものとして政令で定めるものをいう。
23 この法律において「創業」とは、次に掲げる行為をいう。
一 事業を営んでいない個人が新たに事業を開始すること(次号に掲げるものを除く。)。
二 事業を営んでいない個人が新たに会社を設立し、当該新たに設立された会社が事業を開始すること。
三 会社が自らの事業の全部又は一部を継続して実施しつつ、新たに会社を設立し、当該新たに設立された会社が事業を開始すること(中小企業者の行為に限る。)。
24 この法律において「創業者」とは、次に掲げる者をいう。
一 前項第1号に掲げる創業を行おうとする個人であって、1月以内(認定創業支援等事業計画(第128条第2項に規定する認定創業支援等事業計画をいう。)に記載された特定創業支援等事業(第3号において「認定特定創業支援等事業」という。)により経済産業省令で定めるところにより支援を受けて創業を行おうとする者にあっては、6月以内)に当該創業を行う具体的な計画を有するもの
二 前項第1号に掲げる創業を行った個人であって、事業を開始した日以後5年を経過していないもの
三 前項第2号に掲げる創業を行おうとする個人であって、2月以内(認定特定創業支援等事業により経済産業省令で定めるところにより支援を受けて創業を行おうとする者にあっては、6月以内)に当該創業を行う具体的な計画を有するもの
四 前項第2号に掲げる創業により設立された会社であって、その設立の日以後5年を経過していないもの
五 前項第3号に掲げる創業を行おうとする会社であって、当該創業を行う具体的な計画を有するもの
六 前項第3号に掲げる創業により設立された会社であって、その設立の日以後5年を経過していないもの
25 この法律において「創業支援等事業」とは、次の各号のいずれかに該当する事業をいう。
一 創業を行おうとする者に対する創業に必要な情報の提供、研修又は創業についての指導若しくは助言、創業者の新たに開始する事業の用に供する工場、事業場、店舗その他の施設の整備並びにこれらの賃貸及び管理その他の取組により創業を支援する事業
二 事業を営んでいない個人に対する創業の意義に関する学習の機会を提供するための講座の開設、創業者(前項第2号及び第4号に掲げるものに限る。)の事業の用に供する工場、事業場、店舗その他の施設において職業を体験する機会の提供その他の創業に関する普及啓発を行う事業
26 この法律において「特定創業支援等事業」とは、創業支援等事業(前項第1号に係るものに限る。)のうち、特に創業の促進に寄与するものとして経済産業省令で定めるものをいう。27 この法律において「特定信用状」とは、国内に本店又は主たる事務所を有する事業者の依頼により銀行、信用金庫、信用協同組合その他の政令で定める金融機関(次項において単に「金融機関」という。)が発行する信用状であって、当該事業者の外国関係法人の外国銀行等(銀行法(昭和56年法律第59号)第4条第3項に規定する外国銀行等をいう。)からの借入れ(手形の割引を受けることを含む。)による債務の不履行が生じた場合に当該信用状に基づく債務を履行する旨を表示するものをいう。
28 この法律において「特定信用状発行契約」とは、事業者と金融機関との間で締結される契約であって、当該金融機関が特定信用状を発行することを約し、当該金融機関が当該特定信用状に基づく債務を履行した場合において当該事業者が当該金融機関に対して当該債務を履行した額に相当する金額その他経済産業省令で定める金額を支払うことを約するものをいう。
29 この法律において「特定中小企業者」とは、過大な債務を負っていることその他の事情によって財務の状況が悪化していることにより、事業の継続が困難となっている中小企業者をいう。
30 この法律において「中小企業承継事業再生」とは、特定中小企業者が会社の分割又は事業の譲渡によりその事業の全部又は一部を他の事業者に承継させるとともに、当該他の事業者が承継した事業について収支の改善その他の強化を図ることにより、当該事業の再生を図ることをいう。
産業競争力強化法の条文の中での用語の定義としては、次の内容等を規定しています。
1 産業競争力
2 規制の特例措置
3 新事業活動
4 産業活動における新陳代謝
5 新事業開拓事業者
6 特定新事業開拓投資事業
7 特定研究成果活用支援事業
8 関係事業者
9 外国関係法人
10 経営資源
11 事業再編
12 特別事業再編
13 生産性向上設備等
14 事業再生
15 特定認証紛争解決事業者
16 特定認証紛争解決手続
17 中小企業者
18 技術等情報漏えい防止措置
19 技術等情報漏えい防止措置認証業務
20 特定事業活動
21 特定投資事業者
22 特定政府出資会社
23 創業
24 創業者
25 創業支援等事業
26 特定創業支援等事業
27 特定信用状
28 特定信用状発行契約
29 特定中小企業者
30 中小企業承継事業再生
まとめ
会社の成長・発展を法律面からサポートするものとして制定されている産業競争力強化法があり、この産業競争力強化法には、第1条「目的」、第2条に「定義」が規定されています。
*ご注意事項*
こちらのブログでは、確認の意味で一部の条文の投稿をしているという趣旨のため、個別の判断についてのお問い合わせやアドバイス等は
諸法令上等の関係からも受け付けていませんので、弁護士等の専門家へお問い合わせをお願いします。
(このブログに掲載されている内容に基づいての各個別事例等の判断にあたっての責任は一切負いませんので、ご了承をお願いします)