江東区の税理士     経営アドバイザー

佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

永井孝尚氏著「これ、いったいどうやったら売れるんですか?」の書評です。

永井孝尚氏著「これ、いったいどうやったら売れるんですか?」の書評です。

「これ、いったいどうやったら売れるんですか?」

今は、市場での顧客の奪い合いが激しく、今日の安泰が一年後も同様に保証してくれるものではありません。

しかし、そのような環境下でも、

一生懸命頑張っていてもなかなか商品が売れない人
あまり頑張っている感じはしないのに、なぜか商品が売れている人

というように、うまくいっている人とそうでない人がいます。

この本では、うまくいっている人は何をしているのか、そうでない人は、何が間違っているのかを教えてくれます。

いくつかの教えをご案内します。

腕時計をする人は少ないのに、なぜ腕時計のCMは増えているのか?

昔は、正確な時間を知るために、腕時計を買って、それを身に付けて時間を管理していました。

しかし、今では、携帯電話やスマートフォンでも充分代用出来るので、腕時計をつけるニーズがなくなってきました。

しかし、その中でも、企業の腕時計の広告はメディアでも多く取り上げられています。

これには、理由があります。

お客さんが欲しいと望み、自社だけが提供できるものを提供する。

今までは時間を見るという目的で腕時計を使っていましたが、

ジョギング専用ウォッチで体力強化、登山専用ウォッチで安全に登山

等といったように、今まではなかった目的にお客さんが腕時計を身につける理由を創り出し、

そして、そのニーズに合った腕時計を提供するようになりました。

このように、顧客目線で考えながら、

お客さんがお金を出す理由を新しく創り出す。

既存のお客さんにとらわれず、新たに絞り込んだお客さんがお金を出す理由を提供する。

という事を意識して、新たな商品開発をするのです。

そして、大切なことが、

「何かを捨てなければ、何かを得られない」

という事です。

腕時計を見るだけというところだけにフォーカスしてしまうと、顧客層に大きな変化はありませんが、腕時計を使う新たな目的を提供するために、今までのやり方を捨てて、新たなやり方を取り入れる事が必要なのです。

商売は販売で終わりではない。販売は始まりである。

例えば車を購入する場合、メルセデス・ベンツであれば、購入する人にとっては、高い買い物だと感じる場合が多いです。

そして、高い買い物をした後には、

「買ってよかったのかな」

「もっと他に良いものがあったんじゃないかな」

と、どうしても考えてしまいがちです。

そこで、「やっぱり買ってよかった」と不安が解消されれば、その後も継続してお客さんになってくれるので、そのための戦略を考えます。

先程のメルセデス・ベンツでいえば、メルセデス・ベンツ社では、会員専用サイトや他のオーナーとの交流
といったオリジナルなものを提供し、顧客に買って良かったと思える事を高めるようにしています。

そして、今までの顧客層にとどまらず、コンパクトカー等の比較的低価格でもメルセデス・ベンツを購入できるようにして、新たな顧客層を開拓し、そして、将来は、高価格のメルセデス・ベンツを購入してもらえるようにするのです。

そして、次のようなサイクルを循環させるのです。

潜在客→見込み客→新規顧客→リピーター→贔屓客→ブランド信者

また、このような顧客ロイヤルティが高い顧客は、会社に利益をもたらすので、ブランドの信者になってもらって、より、メルセデス・ベンツを広めてもらっているのです。

このように、

どのお客さんに価値を提供するのか

正しいお客さんを選ぶ

お客さんに常に期待を超える価値を提供して裏切らない

この蓄積がブランドを作る事が大切です。

イノベーションは、価値を創り出して、社会に変化を生み出す

十勝マンゴーというフルーツがあります。

今までは、マンゴーというと、南国が産地であり、冬にマンゴーを生産・購入するという習慣がありませんでしたが、冬にマンゴーを食べるという顧客を創り出しました。

また、今では多くの方が利用しているiPhoneは、スマートフォンという新たな価値を生み出す元となっていて、このiPhoneのおかげで、ビジネスの流れが一気に変わり、社会経済環境が新たに生まれ変わることになりました。

つまり、

商品開発の真の目的は、商品を作ることではなく、商品を使うお客さんを創り出しているのです。

 

お客さんはそもそも誰か、お客さんにとって何が良いのか

身近な疑問からはじめるマーケティング

マーケティングを知る事、実践する事は、モノやサービスを販売する以前にやらなければなりません。

売れない商品を販売したり、顧客が喜ばないサービスを提供しても、ビジネスにはマイナスにしかなりません。

そして、今身近な疑問からマーケティングをはじめる事により、新たな顧客を想像し、または顧客のニーズを満たした商品やサービスを提供する事にも繋がります。

上記の記載は、著書のほんの一部をご紹介したものになります。

一冊読み終え、そして、自ら考えて実践する事が出来れば事業の成長に繋がる可能性が高まりますので、是非手に取って頂きたい一冊です。

 

永井孝尚氏著

「これ、いったいどうやったら売れるんですか?」

発行所:SBクリエイティブ株式会社

 

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