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佐藤充宏 江東区で税理士事務所・ファイナンスコンサルティング会社を経営しています。

S&P100とは?Nikeが構成銘柄から外れる理由と銘柄選定の仕組みをわかりやすく解説

S&P100とは?Nikeが構成銘柄から外れる理由と銘柄選定の仕組みをわかりやすく解説

米国を代表する株価指数として、広く知られているのがS&P500です。一方、S&P500の構成銘柄から、特に規模の大きい主要会社を選んだ「S&P100」という株価指数もあります。

S&P Dow Jones Indicesは2026年9月4日、S&P100の構成銘柄からNikeなど4社を除外し、Dell Technologiesなど4社を新たに採用すると発表しました。変更は、2026年9月21日の米国市場の取引開始前に実施される予定です。

世界的なスポーツ用品会社であるNikeが除外されると聞くと、「Nikeの業績に重大な問題が生じたのか」「S&P500からも外れるのか」と疑問に感じる人もいるでしょう。

しかし、S&P100は、単純に知名度や時価総額の順位だけで構成銘柄が決まる株価指数ではありません。また、今回の公式発表では、Nikeに固有の除外理由が詳しく説明されているわけでもありません。

本記事では、S&P100の基本的な仕組み、構成銘柄の選定基準、Nikeが除外される背景、S&P500との違い、銘柄入れ替えが株価に与える可能性のある影響について、わかりやすく解説します。

S&P100とは

S&P100は、S&P Dow Jones Indicesが算出・公表している米国の株価指数です。S&P500の構成銘柄の中から、米国を代表する大型会社100社を選んで構成されています。

S&P Dow Jones Indicesの「S&P U.S. Indices Methodology」では、S&P100について、S&P500から選ばれた100社の値動きを測定する指数と説明されています。

S&P100の対象となるのは、最初から米国上場会社全体ではありません。まずS&P500に採用されていることが前提となり、その構成銘柄の中から100社が選ばれます。

したがって、基本的な関係は次のように整理できます。

項目S&P100S&P500
主な対象S&P500から選ばれた主要100社米国大型株市場を代表する500社
構成会社数100社500社
銘柄の範囲S&P500の一部S&P100を含む、より広い範囲
主な特徴大型会社の中でも特に主要な会社を中心に構成米国大型株市場を幅広く反映
銘柄選定指数委員会の裁量指数委員会の裁量
加重方法浮動株調整後時価総額加重浮動株調整後時価総額加重

S&P100は、S&P500と別の会社群を対象にしているのではなく、S&P500の中から選定されるサブ指数と考えると理解しやすいでしょう。

S&P100の構成銘柄はどのように決まるのか

S&P100は「S&P500の時価総額上位100社を、その順位どおりに自動採用する指数」ではありません。

公式の指数算出方法では、S&P100の構成銘柄について、主に次のような考え方が示されています。

S&P500の構成銘柄であること

S&P100の構成銘柄は、S&P500の構成銘柄から選ばれます。

そのため、S&P100に直接採用される前提として、S&P500に採用されている必要があります。

S&P500では、米国会社であること、対象となる米国の取引所に上場していること、一定の時価総額・流動性・浮動株比率・財務面の基準などが考慮されます。

ただし、S&P500自体も、条件を満たせば機械的に採用されるわけではありません。最終的な構成銘柄の選定は指数委員会が行います。

S&P500の中でも規模の大きい会社が中心になる

公式の指数算出方法では、一般に、S&P500の中でも規模の大きい会社がS&P100への採用対象になると説明されています。

時価総額とは、一般的には「株価×発行済株式数」で算出される、株式市場から見た会社の価値です。株価が下がった場合や、ほかの会社の時価総額が大きく増加した場合には、相対的な順位が変わることがあります。

もっとも、時価総額が上位100位以内であれば必ず採用され、101位以下であれば必ず除外されるという明確な順位制ではありません。

上場オプションの存在が考慮される

S&P100では、一般に、上場オプションが存在する会社が選ばれます。

オプションとは、あらかじめ定めた価格で、将来その株式などを買う権利または売る権利を取引する金融商品です。

ただし、公式の表現は「一般に、上場オプションが存在する、S&P500の中でも規模の大きい会社が選ばれる」という趣旨です。「上場オプションがあれば必ず採用される」という意味ではありません。

セクターのバランスも考慮される

S&P100の銘柄選定では、セクターのバランスも考慮されます。

セクターとは、情報技術、金融、ヘルスケア、一般消費財、生活必需品、資本財など、会社の事業内容に基づく分類です。

S&P100は米国の主要大型株の動きを示す指数であるため、特定の分野だけで構成するのではなく、株式市場の状況を表すうえでの業種構成も選定時の判断材料になります。

ただし、各セクターの採用会社数や構成比率が固定されているわけではありません。また、セクターのバランスが考慮されるからといって、銘柄の入れ替えが必ず同じセクター内で行われるとは限りません。

最終的には指数委員会が選定する

S&P100の構成銘柄は、S&P Dow Jones Indicesの指数委員会の裁量によって選定されます。

したがって、時価総額、上場オプションの存在、セクターのバランスといった要素は重要ですが、特定の数値だけを使って採用・除外を完全に予測できるものではありません。

この点が、「時価総額上位100社を機械的に並べた指数」と大きく異なるところです。

2026年9月にS&P100の構成銘柄が入れ替えられる

S&P Dow Jones Indicesは2026年9月4日、四半期ごとのリバランスに合わせ、S&P100の構成銘柄を入れ替えると発表しました。

2026年9月21日の米国市場の取引開始前から、次の変更が実施される予定です。

区分会社名ティッカーGICSセクター
新規採用Dell TechnologiesDELL情報技術
除外Honeywell AerospaceHONA資本財・サービス
新規採用Palo Alto NetworksPANW情報技術
除外NikeNKE一般消費財・サービス
新規採用Arista NetworksANET情報技術
除外Simon Property GroupSPG不動産
新規採用SandiskSNDK情報技術
除外Colgate-PalmoliveCL生活必需品

今回の入れ替えでは、新たに採用される4社が、いずれもGICS上の情報技術セクターに分類されています。

一方、除外される会社は、資本財・サービス、一般消費財・サービス、不動産、生活必需品という異なるセクターに属しています。

この結果だけを見ると、S&P100における情報技術会社の存在感がさらに高まるように見えます。ただし、各社の構成比率は浮動株調整後時価総額によって決まるため、単純に採用会社数だけで指数への影響を判断することはできません。

NikeがS&P100から外れる理由

結論からいえば、S&P Dow Jones Indicesは、Nikeについて「この一つの理由によってS&P100から除外する」と個別に説明していません。

2026年9月4日の公式発表では、今回の変更について、それぞれの指数が対象とする時価総額の範囲を、より適切に反映するためという趣旨の説明がされています。

したがって、「Nikeの業績が悪化したから除外された」「株価が下落したから自動的に除外された」と断定するのは正確ではありません。

時価総額などを含む総合的な判断と考えられる

S&P100では、一般に、S&P500の中でも規模の大きい会社が選ばれます。また、上場オプションの存在やセクターのバランスも考慮され、最終的には指数委員会が判断します。

この選定方法と公式発表を踏まえると、Nikeの除外は、Nikeだけの事情ではなく、ほかのS&P500構成銘柄との相対的な比較を含む、S&P100全体の構成見直しの結果と捉えるのが適切です。

株式市場では、一つの会社の時価総額が変わらなくても、ほかの会社の株価が上昇して時価総額を大きく伸ばせば、相対的な位置は低下します。

今回採用される情報技術会社の成長や時価総額の変化も、S&P100の構成を考えるうえでは無関係とはいえないでしょう。ただし、公式発表では、各採用会社と各除外会社を個別に比較した判断過程までは開示されていません。

そのため、どの会社がNikeに代わって採用されたのかを一対一で断定したり、Nikeの除外理由を特定の業績指標だけで説明したりすることは避ける必要があります。

NikeはS&P500からも除外されるのか

今回Nikeが除外されるのはS&P100であり、S&P500ではありません。

S&P Dow Jones Indicesの発表では、NikeはS&P100の除外銘柄として記載されています。一方、同時に発表されたS&P500の除外銘柄には含まれていません。

したがって、今回の変更後もNikeはS&P500の構成銘柄に残る予定です。

「S&P100からの除外」と「S&P500からの除外」は意味が大きく異なるため、ニュースを見る際には、どの指数から外れるのかを確認することが重要です。

S&P100から外れたとしても、それだけで米国を代表する大型会社ではなくなった、あるいは会社の信用力が否定されたという意味にはなりません。

S&P100の選定対象はS&P500の構成銘柄です。NikeがS&P500に残る以上、引き続きS&P500を通じて米国大型株市場の代表的な構成銘柄の一つとして扱われます。

S&P100を見ると米国大型株の変化がわかる

S&P100の構成銘柄は、米国の大型会社の中でも特に規模が大きく、株式市場で重要な位置を占める会社を中心に選ばれています。

その顔ぶれが変わることは、米国株式市場で存在感を高めている業種や会社が変化していることを考える材料になります。

今回の入れ替えでは、情報技術セクターの4社が新たに採用されます。これだけで米国経済全体の産業構造を説明することはできませんが、大型株市場における情報技術会社の存在感を考える一つの事例にはなるでしょう。

会社の知名度や歴史の長さと、株価指数における現在の位置づけは、必ずしも一致しません。S&P100は、著名会社を固定的に掲載する一覧ではなく、市場の変化に応じて構成が見直される株価指数だからです。

S&P100を見る際の注意点

S&P100についてニュースや市場情報を確認するときは、次の点に注意するとよいでしょう。

時価総額上位100社と決めつけない

時価総額は重要な要素ですが、上場オプションの存在、セクターのバランス、指数委員会の判断なども関係します。

そのため、時価総額の順位だけから採用・除外を断定することはできません。

除外を会社の評価そのものと考えない

指数からの除外は、その会社の商品、経営、信用力などを全面的に否定するものではありません。

ほかの会社との相対的な規模の変化や、指数全体の構成を適切に保つための見直しによって、著名な会社が除外されることもあります。

S&P100とS&P500を混同しない

S&P100から除外されても、S&P500に残る場合があります。

今回のNikeがその例です。どの指数を対象とした変更なのかを確認せず、「S&Pから除外された」とだけ理解すると、実際よりも大きな変更と受け取ってしまう可能性があります。

まとめ

S&P100は、S&P500の構成銘柄から選ばれた主要100社で構成される株価指数です。

一般に、S&P500の中でも規模が大きく、上場オプションが存在する会社が選ばれ、セクターのバランスも考慮されます。ただし、最終的な銘柄選定は指数委員会の裁量によって行われるため、時価総額上位100社が自動的に採用されるわけではありません。

2026年9月21日の米国市場の取引開始前から、Nike、Honeywell Aerospace、Simon Property Group、Colgate-PalmoliveがS&P100から除外される予定です。代わって、Dell Technologies、Palo Alto Networks、Arista Networks、Sandiskが採用されます。

公式発表では、Nikeに固有の除外理由は明らかにされていません。そのため、業績や株価など一つの要因だけが理由だと断定するのではなく、時価総額などを含めた相対的な位置や、指数全体の構成を踏まえた見直しと考えるのが適切です。

また、Nikeが除外されるのはS&P100であり、S&P500ではありません。S&P100からの除外を、S&P500からの除外と混同しないように注意しましょう。

出典

S&P100とは何ですか?

S&P100は、S&P500の構成銘柄から選ばれた主要100社で構成される株価指数です。一般に、S&P500の中でも規模が大きく、上場オプションが存在する会社が選ばれ、セクターのバランスも考慮されます。

S&P100は時価総額上位100社で構成されていますか?

単純な時価総額上位100社ではありません。時価総額は重要な要素ですが、上場オプションの存在、セクターのバランス、指数委員会の判断も銘柄選定に関係します。

NikeがS&P100から除外される理由は何ですか?

公式発表では、Nikeに固有の除外理由は明示されていません。S&P Dow Jones Indicesは、今回の変更について、各指数が対象とする時価総額の範囲をより適切に反映するためという趣旨の説明をしています。

NikeはS&P500からも除外されますか?

今回Nikeが除外されるのはS&P100です。2026年9月4日の公式発表では、NikeはS&P500の除外銘柄には含まれておらず、S&P500には引き続き残る予定です。

S&P100から除外されると株価は必ず下がりますか?

必ず下がるとは限りません。指数連動型商品の売買によって短期的な需給に影響する可能性はありますが、株価は業績、金利、為替、景気、市場環境など多くの要因によって変動します。

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。実際の投資判断は、ご自身の責任において行ってください。本記事の情報を利用したことによって生じた損害について、責任を負いかねます。

記事執筆者

税理士 佐藤充宏
東京都江東区で税理士事務所及びファイナンスコンサルティング会社を経営している佐藤充宏と申します。

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