
目次
1. はじめに
会社経営において、「資金調達」は極めて重要なテーマです。
その際、多くの経営者が気にするのは「金融機関は今、貸してくれるのか」という点ではないでしょうか。
この“貸してくれるかどうか”の背景には、金融機関側の事情があります。
その代表的な指標が「預貸率(よたいりつ)」です。
預貸率は一見すると専門的な用語ですが、
実は企業の資金繰りや融資環境を読み解くうえで非常に重要なヒントを与えてくれます。
本記事では、
・預貸率とは何か
・高い・低いで何が変わるのか
・融資との関係
を、経営者・経理担当者の実務に役立つ形でわかりやすく解説します。

2. 預貸率とは何か(基本の考え方)
■ 預貸率の定義
預貸率とは、金融機関が集めた預金のうち、どの程度を貸出に回しているかを示す指標です。
計算式で表すと、次のようになります。
預貸率 = 貸出金 ÷ 預金 × 100
■ イメージで理解する
例えば、
・預金:100億円
・貸出金:80億円
であれば、
👉 預貸率は80%
となります。
これはつまり、
👉 集めたお金のうち、どれだけ企業や個人に貸し出しているか
を示しています。
3. 預貸率が意味するもの
■ 「金融機関の貸出姿勢」を表す指標
預貸率は単なる数字ではなく、金融機関のスタンスを映す鏡です。
・預貸率が高い
👉 積極的に貸している
・預貸率が低い
👉 貸出が少ない(または預金が多い)
■ もう少しわかりやすく
預貸率を身近な感覚で表すと、
👉 「持っているお金を、どれくらい使っているか」
です。
金融機関にとって貸出は収益の源泉であるため、
一定程度は貸出に回したいという意識があります。
4. 預貸率が高い場合・低い場合の違い
■ 預貸率が高い場合
預貸率が高い状態は、
👉 すでに多くの資金を貸し出している状態
です。
この場合、
・追加融資に慎重になる可能性
・リスク管理が厳しくなる
といった傾向があります。
■ 預貸率が低い場合
一方、預貸率が低い場合は、
👉 貸出に回せる余力がある状態
です。
この場合、
・新規融資に積極的になる可能性
・条件が比較的柔軟になる可能性
があります。
■ 注意点(単純ではない)
ただし、
👉 預貸率が低い=必ず借りやすい
というわけではありません。
金融機関は、
・信用リスク
・業種
・財務状況 等
を総合的に判断します。

5. なぜ預貸率は変動するのか
預貸率は、経済環境によって大きく変わります。
■ 預金が増えるケース
例えば、
・景気不安
・企業が投資を控える
といった状況では、
👉 お金が使われず預金として滞留
します。
結果として、
👉 預貸率は低下
します。
■ 貸出が増えるケース
一方で、
・設備投資が活発
・資金需要が高まる
と、
👉 貸出が増加
し、
👉 預貸率は上昇
します。
6. 預貸率と融資の関係
ここが実務上、最も重要なポイントです。
■ 金融機関の「貸したい度合い」に影響
預貸率が低い金融機関は、
👉 「もっと貸したい」
という状況にある可能性があります。
そのため、
・新規取引の開拓
・既存顧客への追加融資
に前向きになることがあります。
■ 一方で高い場合は慎重
預貸率が高い場合は、
👉 すでに貸出が多い状態
であるため、
・審査が厳しくなる
・条件が保守的になる
ことがあります。
■ 実務での活用ポイント
経営者としては、
👉 「どの金融機関が余力を持っているか」
という視点が重要です。
例えば、
・地域金融機関ごとの動向
・決算資料や開示情報
を確認することで、
👉 融資の受けやすさのヒント
が得られます。
7. 経営者・経理担当者が押さえるべきポイント
■ ① 預貸率は“環境”を示す指標
個社の評価だけでなく、
👉 金融機関全体の姿勢
を示します。
■ ② 複数の金融機関との関係が重要
預貸率は金融機関ごとに異なります。
そのため、
👉 取引先を分散する
ことで、
👉 資金調達の選択肢が広がる
可能性があります。
■ ③ 自社の信用力が前提
最も重要なのは、
👉 自社の財務状況・信用力
です。
預貸率はあくまで“外部環境”であり、
👉 最終的な判断は個社ベース
で行われます。

8. まとめ
預貸率とは、
👉 金融機関が集めた預金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す指標
です。
この指標を見ることで、
・金融機関の貸出姿勢
・融資余力
・資金調達環境
を読み取ることができます。
経営者・経理担当者にとっては、
👉 「自社の状況」だけでなく
👉 「金融機関の状況」も見る
ことが重要です。
預貸率という視点を持つことで、
より戦略的な資金調達が可能になります。
一般的には70〜90%程度が一つの目安とされることがありますが、金融機関の方針や地域特性によって異なります。
必ずしも安全というわけではありませんが、貸出余力がある状態と見ることができます。
金融機関のディスクロージャー誌や決算資料などで確認できます。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的として作成しています。実際の融資判断は個別の状況により異なりますので、具体的な判断にあたっては金融機関や専門家にご確認ください。




