目次
「売掛金(未収入金)の内訳書」を記載する場合
売上債権や未収債権が事業年度末時点で残っている場合にはその債権に関する情報を記載する内訳書になります。
例えば、3月決算法人で事業年度末の3月分売上110万円が翌月4月に入金になる場合には、事業年度末時点で売掛金が110万円残っていることになります。
このような場合に、この内訳書を作成します。
記載方法
最初に、内訳書下欄記載の脚注箇所を確認しましょう。
(注)
1.「科目」欄には、売掛金、未収入金の別を記入してください。
2. 相手先別期末現在高が50万円以上のもの(50万円以上のものが5口未満のときは期末現在高の多額なものから5口程度)については各別に記入し、その他は一括して記入してください。
3. 上記2により記載すべき口数が100口を超える場合には、次の①又は②の方法により記入しても差し支えありません。
① 期末現在高の多額なものから100口についてのみ記入(この場合、100口目には50万円未満のものも含む残額全てを一括して記入)
② 期末現在高を自社の支店又は事業所別等で記入(支店又は事業所等の名称を「名称(氏名)」欄に記入するとともに、
「期末現在高」欄にその支店又は事業所等の合計金額(50万円未満のものも含む合計金額)を記入)
なお、記載口数が100口を超えるか否かは、売掛金と未収入金との合計口数で判断してください。
4. 未収入金については、その取引内容を「摘要」欄に記入してください。
なお、上記3②の記載方法による場合には、記入しなくても差し支えありません。
科目
脚注1の通り、貸借対照表に計上されている勘定科目との整合性を取る必要があるので、表示されている勘定科目と同じものを記載します。
相手先
その債権の相手先の「名称(氏名)」と「所在地(住所)」を記載します。
期末現在高
事業年度末のその相手先に対する債権金額を記載します。
そして、内訳書に記載した売掛金と未収入金の各金額の合計額が貸借対照表の金額と一致することを確認します。
金額欄については脚注2で、
2. 相手先別期末現在高が50万円以上のもの(50万円以上のものが5口未満のときは期末現在高の多額なものから5口程度)については各別に記入し、
その他は一括して記入してください。
とあるため、50万円未満のものについては、まとめて一括表記にすることがあるかもしれませんが、
相手先ごとに債権金額が事業年度末でいくら残っているのかを確認することは債権管理上重要なので、格別に記入して管理しているケースももちろんあります。
また、脚注3で、記載すべき口数が100口を超える場合等の取り扱いが記載されているので、該当する場合には記載内容を確認しましょう。
摘要
未収入金の場合には、その「取引内容」を記載します。
※脚注3.⓶の記載方法による場合には、記載しなくても差し支えないこととされています。
その他
内訳書の記載にあたっては、会社の経理状況及び財務諸表の表示内容と照らし合わせながら、国税庁ホームページの公表事項等に従って記載し、
不明点等は税理士等の専門家や所轄税務署に確認をしましょう。
まとめ
売掛金及び未収入金が事業年度末に残っている場合には、「売掛金(未収入金)の内訳書」を作成し、その科目・相手先・期末現在高・摘要を
所定の記載事項に従って作成しましょう。
画像出典元:国税庁ホームページ「勘定科目内訳明細書 平成31年4月1日以後終了事業年度分」より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
納税資金の確保は、安定した経営と、事業の成長・発展のために不可欠です。
こちらの拙著「賢い事業資金の集め方・使い方・貯め方」では、事業資金の管理や税金に関する内容を分かりやすく執筆していますので、
是非ご覧下さい。
↓